- 2005/10/24 掲載
【中堅中小IT化】Web情報公開で、多品種変量の注文に応える(2/2)
中堅中小企業 IT戦略の成功事例~業種は違えど、ヒントを得られる~
いつでも誰でも作業工程と
作業予定を見られる
最近は、納期に対する顧客の要求がより厳しくなっているという。「何日に納品」ではなく、「何時に必ずくれ」という要求なのだ。
「お客様からは状況を問い合わせるお電話をいただきますが、すべてに答えていたら事務処理が滞ってしまいますし、答えないと不満を持たれてしまいます。」(間宮氏)
オフコン時代には、作業状況を事務員が確認するシステムを入れ、それを事務員が電話で顧客に伝えていた。
「それだけでは面白くないので、どうせならこの際、情報をWebで公開してしまおうということになりました。」(間宮氏)
同社に処理を依頼した顧客には、IDとパスワードが発行される。顧客は、Webブラウザで多摩冶金のページにアクセスすれば、自分の注文が今どの工程にあるのかがわかる。さらに、同社の作業予定スケジュールも公開されており、登録すれば誰でも自由に見られる。情報を公開するというのはシンプルな発想だが、その効果は絶大である。まず、顧客からの電話が減るため、事務処理の効率が上げられる。作業予定が公開されているので、顧客の方がそれにあわせて前後工程を決められる。
「Webを見たお客様からの「こっちはあとでいいから、そっちを先にやってくれ」といった要望にもすぐ対応できます。また、運送会社に外注しているお客様はその会社にIDを教えておくことで、品物ができたときに取りに来させることもできるでしょう」(間宮氏)
作業予定を見に来た会社の担当者に対して、営業をかけるといった展開も可能だろう。
多摩冶金のページからは、注文が現在どの工程にあるのかがわかる
社内の問題点を しっかり把握する
話をうかがっていて感じたのは、間宮氏、兼村氏とも、システムの内容について実に詳しいということだ。
「まず、自社を見つめてどこが悪いのか問題の切り分けをすることが重要です。納期を早くしたいから何とかしたいとか、問い合わせを減らしたいとか。そういうところから入らず、ITさえ入れれば何とかなるだろうと思っていると、おかしなことになってしまいます。」(兼村氏)
「国や自治体の事業ではITコーディネータを派遣していますから、こうした人材を活用するのがよいでしょう。ただし、出来合いのシステムを売り込まれても、たいてい役に立ちません。会社の業務について親身になって相談してくれる人、最後まできちんと責任を持ってくれる人を選ぶ必要があります。」(間宮氏)
取材・文:山路達也)
こちらは、工程計画の情報ページ。顧客はこのページを参照することで、事前に計画を立てられる
会社名:多摩冶金株式会社
所在地:東京都武蔵村山市伊奈平2-77-1
主な業務内容:機械、電気、電子部品の金属熱処理加工
TEL:042-560-4331
●脚注
■COBOL 大型コンピュータ用に開発されたプログラミング言語。事務用の大量データを処理するのに適している。現在でも多くの組織でCOBOLベースのシステムが現役で使用されている。
■ITコーディネータ
企業のIT化を進めるため、経営者とシステムエンジニアの橋渡しをする人材。NPO法人「ITコーディネータ協会」によって認定される。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
投稿したコメントを
削除しますか?
あなたの投稿コメント編集
通報
報告が完了しました
必要な会員情報が不足しています。
必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。
-
記事閲覧数の制限なし
-
[お気に入り]ボタンでの記事取り置き
-
タグフォロー
-
おすすめコンテンツの表示
詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!
「」さんのブロックを解除しますか?
ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。
ブロック
さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。
さんをブロックしますか?
ブロック
ブロックが完了しました
ブロック解除
ブロック解除が完了しました