社内企業家 平塚 隆介
大手エネルギー会社勤務。早稲田大学ビジネススクールでMBAを取得後、給油所での個人向けカーリースを会社に提案し、初期投資2億円でゼロから1,500億円のマーケットを創出。その後も新規事業に携わり、現在はプロジェクトの責任者として黎明期にある国内での洋上風力発電事業に携わる。専門はビジネスモデル、事業戦略。500以上の事例をもとに、弱い企業が強い企業に打ち勝つための方法論を構築し、日々実戦で活用を行っている。
業界トップを走るリーダー企業の間隙を縫って、成長を遂げる企業は少なくありません。通常、これらのチャレンジャー企業は、リーダー企業から、その戦略やサービスを模倣され、潤沢な設備や要員、高い技術力、豊富な資金力など、リーダー企業の持つ圧倒的な「強み」によって手痛いしっぺ返しをくらうことになります。しかし、一部のチャレンジャー企業は、リーダー企業の「強み」を逆手にとり、「強み」があるがゆえに、真似のしにくい戦略をとっています。すなわち、「強み」を「弱み」に変える戦略によって、チャレンジャー企業はリーダー企業が真似したくても真似できないジレンマ(板挟み)に追い込んでいるのです。本連載では、このような戦略を「ジレンマ戦略」と呼びます。今回は、業界最大手の「リクルートキャリア」を追い込む「ビズリーチ」のジレンマ戦略を解説します。