- スペシャル
- 2014/07/09 掲載
元HTC CEOが設立のAtrust Computerが放つユニークなシンクライアント&ゼロクライアント
設計から開発、製造、サポートまで、自社で高品質製品を提供
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元HTCのCEOが陣頭指揮する注目のテクノロジー・セントリック企業

そしてCho氏が次の活躍の舞台として選んだのが、シンクライアント&ゼロクライアントの世界だ。2007年に技術志向の高いAtrust Computerを設立。台湾に自社工場を持ち、基板設計から筐体設計、ソフトウェア開発、製造、サポートまでを一貫して行うことで、高品質なクラウドコンピューティングソリューションを世に送り出してきた。同社には現在200名ほどの社員がいるが、そのうち約7割が技術者という、まさにテクノロジー・セントリックな企業だ。
同社は、オールインワンシンクライアント、モバイルシンクライアント、デスクトップシンクライアント、サーバの4分野で製品展開を行っており、それぞれ幅広いラインナップを揃えているが、どの分野も大変ユニークなものばかりだ。OSについても、Microsoft Windows Embeddedのほか、自社で開発したLinuxベースのAtrust OSを取り入れている。Cho氏が歩んできた道を振り返れば、こうした製品開発の発露も頷けるだろう。
日本への進出は今年に入ってからだが、すでに4、5年ほど前から米国やヨーロッパに参入しており、シンクライアントやゼロクライアントの拡販に努めてきたそうだ。さらに新興国として、中国やアジア太平洋地域への展開も積極的に進めているところだという。
Atrustがシンクライアント分野に注力する理由
ここからは同社のユニークな製品について見ていこう。Cho氏は「まず我々はシンクライアント分野を第一にフォーカスしています。この分野には、エネルギーを節約できる、資源の無駄を減らせる、寿命が長いという3つのアドバンテージがあるからです。また我々は常に新しい技術に対応できるように柔軟な開発体制で臨んでいます」と説明する。
一方、「t68」のほうはIntel Bay Trail Quad Coreを採用。同様にIntel Bay Trail Quad Coreを搭載した「t180L」も同時投入される予定だ。今年の後半からは、Bay Trail搭載マシンに注力していく方針だ。
「日本市場では、21.5インチ・モニタ一体型シンクライアント“a100T”や、世界初となるARMベースの14インチ・モバイル型シンクライアント“mt100”、デスクトップ型のミニ・シンクライアント“t63”といった製品の拡販を積極的に進めていきたい」(Cho氏)。
これらの製品のほかに、競合他社と比べて非常に小さいミニ・サーバも開発している。たとえば「s101A」のサイズは幅70㎜、高さ196㎜と高さはペットボトルより小さいサイズだ。コンパクトなボディながら、VMware vSphere Hypervisor(ESXi)や、Microsoft Windows Server2012を稼働するのに十分なパフォーマンスと機能を凝縮している。
ユニークなモニタ一体型シンクライアントに注目

Cho氏は「あたかも本体がディスプレイだけしかないように見えるため、a100シリーズを見て、これが本当にシンクライアントだろうか? と驚くお客様も多かったようです。こちらはARMベースでAtrustOS採用のシンクライアントと、OSなし(PC over IP)のゼロクライアントが用意されています。エンタープライズや教育などの分野でシェアを伸ばしたいと考えています」と意気込みを語る。
また同社製品は、すべてファンレス設計のため、静音性にも優れている。シンクライアントは一括導入されるケースが多いため、たとえ1台ごとの音が小さくても、30台から40台と集まると音が気になったり、温度の影響も大きくなってしまう。騒音対策や温度管理など、細やかな気配りも見逃せないところだ。
シンクライアントの設定・管理ツールも自社開発で無償提供
Atrust製品は、シンクライアントの仮想化環境として、Citrix、Microsoft、VMwareの3社をサポートしている。また面倒な設定・管理については、自社開発した無償ツールを用意。たとえば、シンクライアントを一括管理する「Atrust デバイスマネージャー」(ADM)や、クライアントを設定するための「Atrust クライアントセットアップ」(ACS)を組み合わせることでトータルソリューションとして利用できる。大量のシンクライアントを個別に設定するのは大変な作業だ。しかしADMを使用すれば、一度作成した設定をネットワーク越しにシンクライアント側へ配信できるため、作業の負荷を大幅に減らせるようになる。そのほかファームウェアの配信や、同一セグメント内のシンクライアントの電源をオン/オフするなど、リモートコントロールにも対応している。
さて今後の展開に関してだが、Cho氏は「現在は日本事務所ということで、ブランチオフィスを構えているが、今後(2015年)は日本法人も立ち上げていきたい。製品の拡販については、パートナーのアセンテックと共に日本市場に向けてユニークな新製品をどんどん投入していく予定なので、ぜひ日本のユーザーには期待していただきたい」と述べた。仮想環境のニーズの高まりとともに、シンクライアントやゼロクライアントマーケットも伸びていくものと予想されるため、Atrust製品のメリットが広く浸透すれば、日本市場で台風の目になるかもしれない。
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