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2008年のリーマンショック以降落ち込んだ企業のIT投資は、2010年度実績では回復の兆しを見せていたが、震災後の調査では、「減少する」と回答した企業の割合が再び上昇する結果となった。また、「データセンター事業者を利用している」とした企業の割合は全体の6割に達したほか、デスクトップ仮想化の導入を検討している企業は3割に達した。
ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(以下、GfKジャパン)は11日、2011年5月に国内企業約1,500社のIT関連業務従事者にインターネットで実施したアンケート調査より、企業のIT投資動向を発表した。
同調査によると、2011年度のIT投資見込み額が、前年度に比べ「減少する」と回答した企業の割合は、前年実績から4%ポイント高い30%となった(
図1)。「減少する」とした主な理由は「コスト削減」が最も高い比率を占め、次いで「システム導入の入れ替え予定がない」、「新しいシステムを導入したばかり」となった。
その一方で、IT投資が「増加する」と回答した企業の割合は24%と前年実績から1%ポイントの減少にとどまった。「増加する」とした主な理由は、「導入済のシステムが古くなった」が最も多く、次いで「システム規模拡大を予定」、「システム機能拡張を予定」という結果となった。 投資の内訳では、PCやサーバなどのハードウェア分野が33%と構成比が最も高く(前年比2%ポイント減少)、次いでソフトウェア分野が19%(前年比+-0%ポイント)、「運用・保守」が18%(前年比2%ポイント増加)となった。2008年度の景気後退より縮小傾向にあったハードウェアのリプレイスは前年実績においては回復傾向にあったが、今年度見込みでは、再び足踏み状態となった。
2011年度の調査によると、「データセンター事業者を利用している」とした企業の割合は全体の6割に達しており、2008年調査時に比べ、約30%上昇した(
図2)。 データセンターの今後の利用移行状況については、「新規利用予定」は3%と、「利用中止予定」の2%をやや上回った。また新規利用予定の企業においては、データセンターを利用したい理由に「災害対策に強いため」が最も多く挙げられた(
図3)。
クラウドコンピューティングにおいては、デスクトップ仮想化への関心が高まっているという。すでに導入している企業の割合は全体の7%と1割に満たないが、導入を検討している企業の割合は約3割に達した。
また、導入予定/検討中の企業では、仮想化デスクトップ導入理由として「災害時などにおける事業継続性の確保」が導入済み企業より高い割合で挙げられており、セキュリティやコスト面だけでなく、災害対策としての関心の高さを伺わせたという。
震災後、企業の節電や災害対策に対する意識は非常に高まっており、今後、データセンターやクラウドコンピューティングの需要は導入検討中の企業を中心に増加傾向にあるとしている。
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