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- 2013/12/16 掲載
富士市役所 深澤安伸氏が明かす、10年超にわたるシンクライアント・VDI導入のノウハウ
150拠点、1200台のPCを3人で管理する必要に迫られる
その富士市役所がシンクライアントを導入したのは、今から12年前の2001年のことだ。2001年といえば、Windows XPが発売され、ようやくADSLが普及し始めた年である。なぜ、その時代に、一般的なパソコンではなくシンクライアントを選択したのか。深澤氏は次のように説明する。
「2001年当時、パソコンは各セクションに1、2台の状態で、役所全体で300~400台でした。それが、ITの推進計画が立ち上がり、職員1人に1台が配備されることになり、約1200台の導入が決まりました。当時、担当は3名でしたので『これは大変だ』となったのです。実際、その直前、ウィルス対策ソフトのパターンファイルが更新できないトラブルが発生し、約200台のパソコンについて、1台ずつ手作業で更新を行ったこともあり、同様のことが1200台で起きたら、とても対応できないと思ったのです。そこで、当時、おつきあいのあったベンダーさんに、『1200台を3人で管理できる仕組みを教えてほしい』と頼みました。そこで提案されたのがMetaFrame(現在のCitrix XenApp)だったのです」
当時、自治体におけるシンクライアントの導入事例は、ほとんどなかった。しかし、現実問題として、3人で1200台を管理することは不可能と判断した深澤氏は、最初の1年目で400台のシンクライアントを導入し、様子を見た。その結果、問題ないと判断し、3年で1200台をすべてシンクライアントで配備した。同時に、約150箇所の拠点と本庁舎とを接続する専用回線も構築した。
2001年からスタートしたシンクライアントの導入・運用は、予想以上の成功を収めた。その結果を受けて、2007年の第二期のプロジェクトでは、仮想アプリケーション配信(Citrix Presentation Server)とサーバイメージ自体を配信する仕組み(Ardence:現在のCitrix Provisioning Services)を導入し、仮想化をさらに推し進めた。
2011年には小中学校に仮想デスクトップを導入
「この事業は、あくまで教育委員会主導で、我々はそれに協力した形になります。このため、導入後、我々が主体となって運用・保守することはできません。そこで、アプリケーションが問題なく動作するXenDesktopを選択しました。コストだけをみればXenAppにもメリットはあったのですが、アプリケーションの動作評価作業を極小化したかったのです。また、見た目が通常のパソコンと同じですので、教職員の方々に、自分専用のパソコンのように使ってもらえる点も、XenDesktopを選んだ理由です」
また、その際には、リモートアクセスも導入し、自宅や出張先などの学校外から安全にアクセスできる仕組みも構築した。教職員は、従来から自宅で仕事をするケースが多かったこともあり、事前に「データをすべてサーバで管理し、自宅からでも安全にアクセスできる仕組みを提供したい」と説明したら、「ぜひ実現してほしい」と二つ返事で導入が決定したという。
【次ページ】なぜゼロクライアントか?導入の効果は?
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