- 2025/01/06 掲載
米ETF、昨年の流入資金は過去最高 市場拡大へ新たな課題も
[2日 ロイター] - 米国の上場投資信託(ETF)は、2024年の資金流入額が1兆1000億ドルと過去最高を記録し、23年の5970億ドルから2倍近くに膨らんだ。
24年の大規模な資金流入をもたらしたのは(1)米株式の強気相場(2)暗号資産やオプション関連の新商品登場(3)ミューチュアルファンドよりコストが低く、流動性のあるETFへの投資家の人気の高まり――といった要因だ。
今年の流入額は24年以上になるとの見方は多いが、新たな課題も見えてきた。
モーニングスターのETFアナリスト、ブライアン・アーマー氏は、最も複雑な戦略を駆使する一部の分野ではETFの供給が投資家の需要を上回っているかもしれないと指摘。同氏の分析に基づくと、24年に閉鎖されたETFは186本だったものの、今年は閉鎖本数が過去最高だった23年の253本を超える見込みという。
同氏は「非常に多くの商品が開発され、多くのETFは収益性を確保するまで生き残れない。なぜなら単純に資金を引き寄せられるほどの特性と魅力を備えていないからだ」と述べた。
チェルッリ・リサーチによると、ETFの「平均寿命」は23年に初めて短縮方向となり、24年初めまでに5年を割り込んだ。
それでもETFGIの調査で運用資産規模が23年末の11兆6000億ドルから24年末に14兆ドルまで拡大したEFT市場について強気の見方ができる理由も多い、と複数の業界関係者は強調する。
例えばステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズでSPDRアメリカズ・リサーチを率いるマシュー・バルトリーニ氏は、現物ビットコイン関連を含めた新規ETF立ち上げ本数は24年が714本と、23年の543本や21年の480件から増えていると説明した。
フランクリン・テンプルトンのETF商品・資本市場グローバル責任者を務めるデービッド・マン氏は「資金流入規模1兆ドルが『新常態』でないとみなす根拠は存在しない。(市場拡大への)一方通行の列車があり、その列車は現在急行の線路を走っている」と述べた。
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