- 2024/10/15 掲載
英賃金、6─8月は約2年ぶりの低い伸び 求人数も減少
[ロンドン 15日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が15日に発表した統計によると、6─8月期の賃金上昇率(ボーナスを除くベース)は前年同期比4.9%となり、2022年6月までの3カ月以来、約2年ぶりの低水準だった。求人数も引き続き減少した。次の利下げ時期を探るイングランド銀行(英中央銀行)にとって朗報といえそうだ。
賃金上昇率はロイターが集計したエコノミストの予想と一致した。
6─8月の民間部門の賃金上昇率(ボーナス除く)は4.8%に鈍化した。第3・四半期全体では中銀予想の4.8%に達する見込みだ。
求人数は3万4000件減の84万1000件で、コロナ禍前の水準に近づいた。労働市場の冷え込みの兆しが強まった。
失業率は4.0%に改善し、今年に入って最も低い水準となった。就業者数の伸びは過去最高を記録した。
一方、失業率と雇用の測定に使われる労働力調査は回答率が低下しているため、現在見直しが行われている。統計局は、就業者数の増加が実際よりも過大になってる可能性があるなどとして、注意を促した。
オックスフォード・エコノミクスの英国チーフエコノミスト、アンドリュー・グッドウィン氏は「この統計で労働市場の現状を把握するのは困難だが、労働市場の穏やかな緩和が続いているとみられる」と述べた。
英中銀は8月に4年5カ月ぶりに利下げに踏み切ったが、インフレ圧力が和らいでいる兆候をさらに確認したいとして、9月会合では政策金利を据え置いている。
統計発表後、投資家は来月の利下げ予想を維持。市場は11月7日の25ベーシスポイント(bp)利下げ実施を80%織り込んでいる。
アバディーンのデプュティーチーフエコノミスト、ルーク・バーソロミュー氏は「今のところ、11月の追加利下げは確実視されており、予算によって金利見通しがどう変わるか見極めたい」と語った。新政権による初めての予算案は10月30日に発表される予定。
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