- 2024/06/21 掲載
ユーロ圏総合PMI、6月速報値は50.8に大幅低下 需要減少
総合PMIはロイターがまとめた予想(52.5)を下回った。ただ、好不況の分かれ目である50は4カ月連続で上回った。
キャピタル・エコノミクスのフランツィスカ・パルマス氏は「6月のユーロ圏総合PMIの急低下は、ユーロ圏経済の堅調な回復が既定路線ではないことを示唆している」と述べた。
全体の新規事業指数は51.6から49.2に低下し、4カ月ぶりの低水準となった。
<サービス業に減速の兆候、製造業は回復の兆しが反転>
サービスPMIは52.6で、前月の53.2から低下。ロイター調査では53.5に上昇すると予想されていた。
一方、インフレ圧力は弱まり、欧州中央銀行(ECB)の年内の追加利下げを後押しする内容となった。サービス産出価格指数は54.2から53.7に低下、約3年ぶりの低水準だった。
INGのバート・コリジン氏は「今回の調査によると、物価上昇圧力は緩和している。これは緩やかな経済環境という見方を裏付けており、ECBによる非常に慎重な緩和という予想に沿うものだ」と述べた。
製造業はこのところの回復の兆しが反転。PMIは47.3から45.6へと6カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。ロイターがまとめた予想は47.9だった。
生産指数は49.3から46.0に急低下。製造業では13カ月連続で人員が削減された。
<仏選挙巡る不透明感>
国別では、6月のドイツの総合PMI速報値が50.6となり、前月の52.4から低下した。ロイターが集計したエコノミスト予想(52.7)を下回った。サービス業は相対的に好調だが、製造業は低迷が続いている。
6月のフランスのサービス部門PMI速報値は48.8と予想を下回った。需要の低迷が響いた。ハンブルク商業銀行のエコノミスト、ノルマン・リープケ氏は、国民議会(下院)選挙を巡る不透明感から仏企業は失速し、より厳しい状況になることを恐れていると述べた。
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