• 2024/06/20 掲載

6月ロイター企業調査:中国の過剰生産、5割弱が影響・懸念 対抗措置には慎重

ロイター

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Kentaro Sugiyama

[東京 20日 ロイター] - 6月のロイター企業調査で、中国の過剰生産が企業活動に影響しているか質問したところ、影響がある、この先懸念されるとの回答が合わせて5割弱となった。一方、欧米が関税引き上げの方針を示しているものの、6割が同様の対抗措置を日本政府は「とる必要はない」とした。日中間の緊張を無用に高めるのは得策ではないとの意見が多かった。

調査は6月5日─6月14日。調査票発送企業は492社、回答社数は227社だった。

今回の調査では、中国の過剰生産問題について4%が企業活動に「大いに打撃がある」、29%が「ある程度ある」と回答。14%が「今はないがこの先懸念」とした。一方、「ほとんどない」は40%、「全くない」は13%で、約半数が影響がないとの回答だった。

米国や欧州連合(EU)が関税引き上げの方針を示しているが、日本も歩調を合わせて対抗措置を「とる必要はない」と61%が回答した。新たな摩擦の火種につながるリスクを自ら冒すべきではないとの考えからだ。

「経済依存度を考えると強硬策はデメリット」(化学)、「全てにおいて米国に追随する必要はない。今は様子見のとき」(非鉄金属)、「保護貿易主義は長期的に日本の利益にならない」(食品)、「中国から輸入している物品が止まるとさらに物価が上がる。賃上げ効果もなくなる」(運輸)などの指摘があった。

一方、4割が対抗措置を「とるべき」と回答した。回答者からは「中国国内の需要減を背景に利益を度外視した中国の安値攻勢に対し、政府としても対抗してほしい」(化学)、「低品質で安いものは日本の最終ユーザーにとって不利益」(輸送用機器)、「何もしないと今後やりたい放題になる」(機械)といった声が寄せられた。

会社として、同問題にどう対応するかについては「特に考えていない」との回答が60%で最も多く、「付加価値をつけて売り上げ維持」が27%、「利益確保を優先して生産抑制」が8%で続いた。

中国の過剰生産による輸出拡大について、米国をはじめとする西側諸国が世界経済に悪影響を及ぼすと批判。イタリアで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)の首脳声明では「不公正な慣行からわれわれの企業を守り、公平な競争条件を整え、進行中の損害を是正するための行動を継続する」との文言が盛り込まれた。

(杉山健太郎 グラフィック作成:照井裕子 編集:橋本浩)

*見出しの脱字を補い再送します。

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