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  • 2022/04/04 掲載

2022年度リーダー層の転職市場で「採用企業が口を揃える」3種の“引く手あまた”人材

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長引くコロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻などにより、経済の先行きが不透明な状況が続いています。このような中、現職の状況に不安を感じる一方で「転職市場も低迷状態だろう」と心配する方も多いのではないでしょうか。就職内定率の低下や、企業の業績悪化に伴う人員削減といった話題が、テレビやニュースメディアで耳目を集めています。今回は、東京大学のキャリアデザインの授業で教鞭を執っていたコンコードエグゼクティブグループCEOの渡辺秀和氏に、コロナ禍におけるビジネスリーダー層の転職市場の実態と、市況を活かしてキャリアを飛躍させる方法について解説してもらいました。
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転職では本人の資質や能力と同じかそれ以上に「市況」が重要となる
(Photo/Getty Images)

転職活動の成否を分けるのは「市況」

 私はこれまで約20年間、1000人以上のビジネスリーダーやエグゼクティブの方へキャリア支援を行ってきました。その中で、理想のキャリアを叶える上で欠かせない要素として「市況」の重要性についてお伝えしてきました。

 市況が良いときには、人気企業にも受かりやすく、未経験からの転身もしやすい傾向にあります。合否だけでなく、内定の条件にも違いが如実に表れ、高い年収、高いポジションを得やすくなるのです。経験者が業界内で即戦力として転職すると、年収が1.5~2倍以上に跳ね上がるというような事例も珍しくありません。

 逆に市況が悪い時には、受かりにくいうえに、たとえ内定を獲得しても、高い年収や高いポジションを得にくくなります。ご自身の「実力」や「努力」とは関係のない要素が、年収や採用ポジションどころか、合否まで変えてしまうという事実には驚かれる方も多いでしょう。

 実際に、外資系コンサルティングファームや投資銀行などの人気企業も、時期によって入社難易度は大きく異なります。市況が合否に大きなウェイトを占めているという事実を知って転職活動をするか否かで、後のキャリアが変わってしまいます。一度良い企業、良いポジションに就くと、ネクストステップでも良い機会を得やすくなります。市況を味方につけることができると、キャリア設計上とても有利になるのです。

過去10年間で激変している転職市場

 具体的に近年の転職市場の市況を振り返ってみましょう。

 リーマンショック後の2008年~2009年にかけて、外資系投資銀行やグローバルカンパニーを中心に多くのリストラが行われました。まさに転職市場の市況が非常に悪い時です。市場の冷え込みは2009年半ばに底を打ったものの、2011年までは企業の採用意欲が低迷した状態が続きました。弊社へこの時期にご相談に来られた方には、よほどの事情がない限りは「今の会社に残って様子をみたほうが良い」と転職をしないようにアドバイスをしていたほどです。

 その後、リーマンショックの影響が落ち着きだした2012年ごろから2019年末までの約8年間は、ビジネスリーダー層の市場では活況が続きました。この時期、コンサルティングファームやベンチャー企業、外資系企業やPEファンドといった人気企業で採用が活発化し、未経験でも転身に成功された方が多数いらっしゃいました。

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どんな人材がヘッドハンティングされるのか?
(Photo/Getty Images)

 右肩上がりだった企業の採用意欲は、コロナ禍でいったんは減速します。2020年前半は、新型コロナウイルスによる経済の先行き不透明感から、ビジネスリーダーの採用も一時減少しました。しかし、2020年後半以降は、コロナ禍以前よりも積極的な採用を行うコンサルティングファームや経営幹部を求めるベンチャー企業、大企業が増えています。2022年の現在においても、事業成長を担うビジネスリーダー層の採用熱はますます高くなっているのです。

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