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- 2021/01/14 掲載
30社に聞いた「コロナ下の営業現場の工夫」、商談やマネジメントをどう変えた?
30社が語った、“今の営業”がやるべきこと
顧客を訪問してはならない。懇親の機会を持ってはならない。社会を挙げたリモートワークシフトに、ビジネス現場で最も当惑したのは営業部門だろう。特に、売り上げノルマを達成することで企業の屋台骨を支えてきた管理職にとって、活動自粛は目の前が暗黒になる心情だったはずだ。
しかし、この未曾有の災禍もすでに約1年が経過した。営業部門でも、時々刻々と変化する状況に適応しながら“今できることをする”機運が生まれている。
B2BマーケティングのMA/SFA/CRMツールを提供するインターパークは、大手人材会社、食品メーカー、飲料系メーカー、IT企業、商社、営業代行会社、通信会社、保険会社、不動産などさまざまな業種の30社に“今の営業”をインタビュー。結果を、同社が12月に実施したWebinarで公開した。
現状行っている工夫や抱える問題点などリアルな声に耳を傾けた結果、幅広く共有したいTipsといえる知見が次々と浮かび上がってきた。
営業マネジメントは、メンタルケアに注力せよ
全社でリモートワークを実施しているRocketsでは今、Zoomの常時接続を実施しているという。上司と部下がこまめに相談・連絡することで心理的安全性を担保するのが狙いだ。
また、ブレイクアウトルーム機能を利用し、雑談できるようにもしている。それも、セールス、エンジニアと職種別に4つ、また職種に関係ないまったくフリーの雑談ルームも用意しているという。ただし、ディスカッションに関しては、対面でリアルなホワイトボードを使ってワイワイガヤガヤ進める方が生産性が高いことを実感するそうだ。
リモートワーク下で営業マネジメントが意識して取り組むべきもう1つの点として、高井氏はメンタルケアを挙げた。鈴木氏もそれに同意する。
「メンタルブレークは外からはわかりにくく、いつのまにか進行していた、ということがあり得ます。それをどう早期発見するか。サーベイや1on1ミーティングをこまめに行うというのもあるでしょう。当社では運動不足管理というか、朝礼などで『運動した方がいいよ』とアドバイスしています。これも有効です。
リモートワークは対面活動以上に能力差が出る働き方。意識が高い人は自分でいろいろ考えてうまく自己管理できますが、そうできない人もいます。後者に対しては積極的に『こうした方がいい』とアドバイスするようにしています」(鈴木氏)
最近では、社員のメンタルケアや運動不足解消をテーマとした福利厚生的なサービスが次々現れ、人気を博しているそうだ。専門家が付いてメディケーションや筋トレなどを行いながら、その企業ならではのミッション・ビジョン・バリューも共有して帰属意識を高める内容になっているという。
一方で、高井氏は、メンバーのメンタルケアに注力するうちに自分がパニック障害になってしまったことを吐露した。原因は過集中。食事も摂らずに12~13時間連続して仕事をするような生活を続けていたのがたたった。現在ではほぼ回復したといい、“過集中と運動不足は危ない”と教訓を得たそうだ。
【次ページ】“第0印象”が商談を進めるカギに。リモートワークで求められる2つの資質とは?
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