- 2025/04/24 掲載
日産2000億円追加投資、トヨタ・ホンダ現地開発EV 中国で挽回へ
Kevin Krolicki Maki Shiraki
[上海/東京 23日 ロイター] - 日産自動車は23日、中国で2026年末までに100億人民元(約2000億円)を追加投資する計画を明らかにした。中国に投入する新エネルギー車(NEV)を27年夏までに10車種に増やす。
中国事業を担当するスティーブン・マー氏が同日、中国・上海市で開幕した世界有数の自動車展示会「上海国際自動車ショー」で述べた。
世界最大の自動車市場である中国では、政府の支援策によって電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などからなるNEVの需要拡大が続き、価格競争も激化。日産をはじめとする日本勢は、EV大手の比亜迪(BYD)など中国勢の後塵を拝しており、NEVの投入拡大で巻き返しを図る。
日産は、今年後半に中国で発売を予定しているピックアップトラックのPHV「フロンティアプロ」を現地から輸出して海外にも投入。合弁相手である東風汽車集団からセダンタイプのEV「N7」も今月中に発売して挽回を狙う。
これまでの新車投入計画では、26年末までにN7を含む計8車種、このうち日産車は5モデルとしていたが、27年夏までに計10車種と改め、うち日産車を9モデルに増やす。
日産の24年の中国販売は70万台弱と4年前の実績の半分以下にとどまっている。
マー氏は記者団に対し、「中国市場へのアプローチがやや遅れた」と振り返り、「正直に言うと、中国車ブランドの動きはあまりにも速すぎた。その速さは並外れており、誰もが驚かされた。今、私たちは再スタートを切ったと考えている」と述べた。
また、中国からの輸入が関税で事実上ブロックされている米国を念頭に、中国から「おそらく一国を除いて、多くの国々」への輸出を続けると説明。「米国で長く生活し働いてきた私でも、この状況は予測できなかった」といい、「どの国かはまだ発表できないが、私たちは多くの国への輸出を続ける」と付け加えた。
日産の経営再建が成功するかどうかは、新モデルの発売に伴う株価や販売実績で判断されるとし、具体的な目標に関しては、4月に就任したイヴァン・エスピノーサ社長が説明するとして言及を控えた。ただ、「彼は間違いなく私に大きな目標を課した。『速く、速く、速く、速く』と」と述べた。
日本勢では、日産のほかトヨタ自動車やホンダも同日、EVの新型車を公開した。トヨタが中国で開発したEV「bZ7」は全長6メートルを超えるセダンタイプで、1年以内の発売を目指す。
ホンダも中国市場向けEV「イエ」シリーズの第2弾となるスポーツ車タイプの旗艦モデル「GT」を初披露。中国企業との連携で先進運転システムなどの性能を高める。車内で乗員の支援などを行うAI(人工知能)技術は、中国のスタートアップ企業が開発した「ディープシーク」を同シリーズ全てのモデルで採用する。
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