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動画を用いた広報やマーケティングが近年流行していますが、しかし実際に自社で制作をしようと思うとどこから手を付けたらいいのかわからず、途方にくれるのではないでしょうか。
『YouTubeでビジネスを伸ばす動画の成功法則』著者である木村健人氏が、「動画制作プロセスの全体像」「導入しやすい撮影パターン」「手間をかけない台本づくり」の3点に分けて、動画制作初心者向けに説明します。
この記事のポイント
1.動画制作プロセスを表にする
- 動画の制作には企画から編集までさまざまな工程がある。
- 「サービスの様子の動画」「トーク形式の動画」「知識解説動画」の順で、制作の負担が上がっていく。
- まずは、動画の撮影に慣れ、次に動画で話すことに慣れ、最後にカメラに話すことに慣れることがおすすめ。
2.導入しやすい撮影の4パターン
- 必ずしも、出演者がカメラに向けて1人で話す必要はない。
- 普段の社内コミュニケーションを撮影することで、演者が話しやすくなる。
- 手元のみ、音声のみなどでも、十分に有効なプロモーションができる。
3.手間をかけない台本作り
- 台本は、情報を整理するために作る。
- セリフの全てを台本に書く必要はない。
- 類似する動画内のセリフを書き起こし、ポイントを抽出することで、自分の台本に転用できる。
動画制作プロセスを表にする
◆具体的な動画制作プロセスを考えよう!
「さぁ、動画を公開しよう」と意気込んでも、動画制作にまつわる業務にどのようなタスクがあり、どのような順番で進めるのがいいかを知らないと、なかなか見通しが立たないものです。
そこで役に立つのが以下の図です。YouTube動画の制作プロセスには、このような一連の作業が発生します。まずは動画のテーマを決め、そのテーマをわかりやすく解説するために必要な項目と順序を洗い出します。項目が決まれば、それをもとにして台本が作れるようになります。
そこから、その台本を読み上げる出演者および適切な撮影場所を決め、そして動画の撮影になります。撮影が完了するとそれぞれの動画をつなぎ合わせる作業で動画を編集していきます。最後にユーザーを飽きさせないような工夫としてテロップ・BGM・効果音などを動画に組み込んでいき、1本の動画が完成します。
◆動画の形式ごとに必要な手間を知ろう
動画制作には一定の手間はかかりますが、内容によってはそれほど手間をかけずに制作できる動画の種類もあります。大手企業がよく行うような、商品の世界観を伝えるハイクオリティなプロモーション動画は簡単にまねできません。
しかし、商品の使い勝手やサービス過程が伝わる映像で、ユーザーニーズとピッタリ合致していた場合、クオリティーが高くなくても視聴回数を多く獲得でき、大手企業のプロモーションの視聴回数を超えることが頻繁にあります。
形式ごとの「動画の作りやすさ」を横軸に、「制作工程」を縦軸に、関係性を表すと次ページ図のようになります。最も作りやすく、また企業でも内製化しやすいものはサービスなどの様子を撮影した動画です。工程としては、動画のテーマと出演者、撮影場所さえ決まればすぐに撮影ができ、編集も動画をつなぎ合わせるだけで完成させることができます。
次に作りやすい形式は、出演者や社員の会話を見せるトーク形式の動画です。まず動画のテーマを決定します。台本は必須ではありませんが、どんな話の流れで進めるか、解説項目を打ち合わせする必要はあるでしょう。解説項目が決まれば、会話や撮影し、動画をつなぎ合わせれば作業完了です。
手間が多いのは、知識解説の動画です。テーマを設定し、項目を出します。この際にリサーチなども必要になるでしょう。そして台本をあらかじめ準備し、出演者や撮影場所を決めます。撮影後、動画をつなぎ合わせるだけでなく、テロップを入れて情報に緩急をつけたり、内容によっては画像や図式を挿入することも必要となります。また、ユーザーを飽きさせないためにBGMや効果音を入れるなど、プラスアルファの工数が発生する場合もあるでしょう。
◆それぞれのプロセスに慣れる
これから動画集客を本格的にはじめる場合、まずは「撮影」のプロセス自体に慣れる必要があります。1本目から知識解説の動画を撮影することは、慣れていない場合に大きな負担がかかります。まずは作りやすい、サービスの様子を伝える動画などから作成するほうが現実的です。
次に必要なことは、動画で話すことに慣れるということです。カメラに向かっていきなり1人で話すことは困難であっても、ゲストを呼んで対話したり、2、3人の社員でたわいない話をする企画であれば、カメラを意識せずに動画の撮影に取り組むことができます。このような形式で動画を制作することで、自分または出演者が、動画で話すことや撮られることに慣れていきます。
最後は知識解説動画に挑戦し、カメラに向けて話すことに慣れましょう。YouTubeにおいては、ユーザーとの心理的な距離の近い動画のほうが共感をつかめるため、このような1対1のコミュニケーションで語りかけることはひとつの目標になります。
また、ゆくゆくは毎回の制作において、情報を事前に整理し、ユーザーにとって分かりやすい解説ができる、という動画制作プロセスを確立したいものです。そのために、まずはカメラに向かって話すことに慣れることが大切でしょう。
【Point】
- 動画の制作には企画から編集までさまざまな工程がある。
- 「サービスの様子の動画」「トーク形式の動画」「知識解説動画」の順で、制作の負担が上がっていく。
- まずは、動画の撮影に慣れ、次に動画で話すことに慣れ、最後にカメラに話すことに慣れることがおすすめ。
【次ページ】導入しやすい撮影の4パターン、手間をかけない台本作り
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