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  • 2020/12/16 掲載

DXできる企業が持つ6つの組織カルチャーとは?ITR 内山悟志会長が詳解

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コロナ下において「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を実現するためには、小手先ではなく、組織そのものが大きな変化を遂げなくてはならない。アイ・ティ・アール(ITR)会長の内山 悟志氏は、「デジタルを“手段”ではなく“前提”」として捉えることを強調し、組織カルチャーに求められる6つの要素、そして新しい組織カルチャーを手に入れるための3つの施策を紹介した。
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これからの組織カルチャーをどう作っていけばよいか
(Photo/Getty Images)

※本記事は2020年10月6日開催「IT Trend 2020(主催:アイ・ティ・アール)」の講演「デジタル時代に向け求められる組織カルチャーの変革」をもとに再構成したものです


「Transform by Digital」から「Transform to Digital」へ

 コロナ以前から、デジタルでのできごとを“主”、リアルでのできごとを“従”とする、「アフターデジタルの世界観」は広まりつつあった。デジタルでのつながりを中心にした上で、店舗での買い物やコンサート会場でのライブ観覧などをプラスアルファの体験とする世界観だ。

 そこで起こったのが、新型コロナウイルスの感染拡大である。外出自粛や出社制限が推奨され、テレワークが拡大した。その結果、多くのビジネスパーソンがアフターデジタルの世界観を疑似体験することになった。まさに、新型コロナウイルスが人々の世界観のシフトを早めたのだ。

 この変化の中で、DXの本質的な意味も変わりつつある。

 内山氏は「現時点でデータやデジタル技術は『手段』と位置付けられているが、今後デジタルは『前提』となる」と説明。その上で「社会や経済活動全体が高度にデジタル化され、あまねく浸透している世界が開けると、それに適応した企業に丸ごと生まれ変わることが、DXの本質になる」と語る。

 内山氏によると、コロナ以前のDXは、企業や組織、ビジネス、社会をデジタルで変革する「Transform by Digital」だったという。対して、ニューノーマルのDXは、企業・組織・ビジネス・社会をデジタルに変革する「Transform to Digital」になるというのが同氏の主張だ。

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これまでのDXとニューノーマル時代のDXとの違い

 その上で、DX失敗の原因は「組織カルチャーの壁による阻害にある」と内山氏は指摘する。ニューノーマルの世界観に適応する組織カルチャーとは、いかなるものか。

デジタル“主”時代に適合、組織カルチャーに求められる6つの要素

 内山氏によると「デジタルに適合した組織カルチャーとは、デジタルを前提とした人々の行動パターンとそれを規定する組織規範に基づくもの」だという。具体的な要素として、内山氏は、次の6項目を挙げる。

<デジタル時代に適合した組織カルチャーの6つの要素>

  1. DXの本質と変革の必要性への理解
  2. 創造的な活動の自由と支持
  3. ファクトに基づく意思決定
  4. 人材の多様性と組織のトライブ化への対応
  5. 個人の組織への貢献の可視化と正当な報奨
  6. リスクの許容と失敗からの学習

 それぞれの項目の内容について、以降で説明していく。

(1)DXの本質と変革の必要性への理解

 デジタル時代の組織カルチャーを手に入れるには、経営者を含む誰もがDXの本質と変革の必要性を理解する必要がある。専門家や担当者だけでなく、誰もがデジタルを前提にビジネスや業務のあり方を考えなければならない。組織全体のデジタルリテラシーを向上させることも重要である。

「自社にとって『DXは本当に必要なのか?』、『ディスラプター(破壊者)は誰なのか?』といった“Why”とともに、自社は『どのような企業を目指すのか?』といった“Where”まで含めてしっかり議論し、意識を共有する必要がある」(内山氏)

(2)「創造的な活動の自由と奨励」

 誰もが自発的に創造的な活動を自由に行うことができ、経営者や周囲の人たちからも支持され、協力を得られる。そして、その活動の成果が称賛されるような環境を持つことがデジタル時代の組織カルチャーである。

(3)ファクトに基づく意思決定

 日々技術が進化し、ビジネスの状況が目まぐるしく変わる時代において、迅速かつ適正な意思決定を行うためには客観的なデータを活用することが求められる。そのためには、実績などの過去の定量データだけでなく、市場や顧客などの外部環境の情報や先行指標となる定性情報を含む、すべてのファクト(データ)が全社員から同一かつ透過に見えなければならない。

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ファクトに基づく意思決定とは?

【次ページ】新しい組織カルチャーを手に入れるための具体的な3つの施策
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