- 2025/04/12 掲載
欧州市場サマリー(11日)
週間では、FTSE100種は1.13%安と、2週連続で下落。一方、FTSE250種は0.81%高と反発した。米政権の関税措置に市場が翻弄(ほんろう)され、荒い値動きの週となった。
英国立統計局が11日発表した2月の国内総生産(GDP)は前月比0.5%増加し、市場予想を上回った。これを受け、イングランド銀行(英中央銀行)による利下げへの期待が後退した。
金利に敏感なFTSE350種銀行株指数は0.81%高。米金融機関の堅調な決算発表も追い風となった。
金価格の値上がりを受けて、FTSE350種貴金属株指数は6.93%高。フレスニヨは7.4%、エンデバー・マイニングは6.4%、それぞれ上昇した。
銅などの値上がりを受けて鉱業株指数は2.73%高。一方、石油・ガス株指数は1.36%安。業績見通しを発表した石油大手のBPが2.9%下落した。
<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。STOXX欧州600種指数は週間では1.92%安と、3週連続で下落した。米政権の関税措置に市場が翻弄(ほんろう)され、米中貿易摩擦の激化による経済影響への懸念が強まっている。
11日の取引で、貿易動向の影響が大きいドイツのDAX指数は0.92%安だった一方、英FTSE100種は0.64%高。
米政権が「相互関税」の一部を90日間停止したことにより、市場では米国と各国・地域との貿易協定締結に関心が移っている。欧州連合(EU)は対抗措置の発動を見合わせ、通商担当の欧州委員が14日、米当局者と協議する予定となっている。
欧州中央銀行(ECB)は17日に開く理事会で0.25%の追加利下げを決めると広くみられている。企業の決算発表にも関心が集まっている。
金利に敏感なSTOXX欧州600種不動産株指数は2.04%上昇。一方、工業株指数は1.25%安だった。
個別銘柄では、自動車大手ステランティスは3.8%安。第1・四半期(1-3月期)の出荷台数が前年同期比9%減となるとの発表を受け、売られた。
<ユーロ圏債券> ドイツ国債利回りが低下し、米独利回り格差の拡大幅は週間で1990年代以来の大きさになった。米国の貿易政策を巡る懸念からユーロ建て資産がドル建て資産より安全との見方が強まった。
こうした中、市場では欧州中央銀行(ECB)による追加利下げ期待が、トランプ米大統領が9日に発表した相互関税の一部90日間停止前の水準まで高まった。ECBが17日に開催する理事会で25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施し、中銀預金金利が2.25%になるとの見方を完全に織り込んでいる。
ユーロ圏の指標金利であるドイツの10年債利回りは5bp低下の2.53%。
ECBの金利見通しに敏感なドイツ2年債利回りは、7.5bp低下の1.74%となった。
米独10年債利回り格差は195bpに拡大し、2月24日以来の高水準となった。LSEGのデータによれば、週間では40bp以上拡大し、拡大幅としては少なくとも過去30年間で最大となった。
イタリア10年債利回りは0.5bp上昇の3.81%。独伊10年債利回り格差は127bpに拡大した。
<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード
ユーロ/ドル 1.1323 1.1362
ドル/円 143.57 142.82
ユーロ/円 162.60 162.31
<株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード
STOXX欧州600種 486.80 -0.48 -0.10 487.28
FTSEユーロファースト300種 1935.13 -2.89 -0.15 1938.02
ユーロSTOXX50種 4787.23 -31.69 -0.66 4818.92
FTSE100種 7964.18 +50.93 +0.64 7913.25
クセトラDAX 20374.10 -188.63 -0.92 20562.73
CAC40種 7104.80 -21.22 -0.30 7126.02
<金現物> 午後 コード
値決め 3230.50
<金利・債券>
米東部時間14時58分
*先物 清算値 前日比 前営業日終盤 コード
3カ月物ユーロ 97.75 +0.02 97.73
独連邦債2年物 107.52 +0.16 107.36
独連邦債5年物 119.15 +0.31 118.84
独連邦債10年物 130.98 +0.62 130.36
独連邦債30年物 124.58 +2.28 122.30
*現物利回り 現在値 前日比 前営業日終盤 コード
独連邦債2年物 1.830 -0.052 1.828
独連邦債5年物 2.146 -0.025 2.139
独連邦債10年物 2.581 -0.039 2.591
独連邦債30年物 2.887 -0.080 2.959
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