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なぜ遠隔診療は「2018年」を境に普及するのか
遠隔診療は、厚生労働省が2015年8月に発表した「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」が、遠隔診療の事実上の解禁とされ、これを契機にベンダー各社が市場に参入し、2016年にはスマートフォンと専用アプリケーションを使用した遠隔診療ツールが上市されたという背景がある。
遠隔診療は、医療環境を取り巻くかねてからの課題である医療費の高騰、医師不足、高齢化に伴う療養施設の不足による在宅ケア・療養などへの対応策になり得る可能性があるとされる。
しかしその一方で、現在は遠隔診療を行うことでの加算や指導料は、認められていないなど、診療報酬上の課題も指摘されている。
こうした中で、遠隔診療は特に重症化予防や服薬指導、生活習慣病による医療費増加への抑制効果が期待されることから、2018年の診療報酬改定においてプラス改定が期待できるとみている。
2018年の診療報酬改定で、遠隔診療がプラス改定となった場合、医療機関の導入が更に期待されることから、同市場の拡大は急速に進むとしている。
「遠隔健康管理」の概念がポイントに
遠隔健康管理はこれまで、山間部や離島など、基本的に住民が少なく、また予算規模の小さい地方自治体において実施されてきた。このため、遠隔健康管理システムの導入費用の捻出が非常に難しいという実情があった。
しかし、遠隔診療の規制緩和などから、遠隔地の解釈がなくなってきていることなど、遠隔医療の条件が原則なくなることを受け、都市部における利用やインターネットなどを活用した遠隔健康管理に移行しつつある。
また、2017年度に特定保健指導における遠隔面接の事前届が廃止となるため、利用者と医療従事者が離れていることが条件となる遠隔面接も遠隔健康管理の一部となる。
これにより、遠隔健康管理の主たる財源者は自治体から特定保健指導を実施する保険者(健康保険組合)になることから、福利厚生を業務委託している福利厚生アウトソーシング事業会社が遠隔健康管理を主導することも考えられるとしている。
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