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国内企業1210社のCIOや情報システム部門長、またはそれに準ずる立場の管理者に対する調査によれば、2016年度の国内企業のIT支出計画は、大企業では35%、中堅企業では31%が「増加」すると回答した。また、「IT部門が関与しない」IT予算については6割の企業に存在することがわかった。大企業の6割超で、IT部門以外がIT部門の予算の1割超の予算を持ち、2割ではIT部門の予算の半分近くかそれ以上を持っていることが明らかになった。
IDC Japanは7日、IT投資動向に関する国内CIO調査結果を発表した。これによると、IT投資に大きな変化はみられなかったものの、大企業や金融・通信/メディアを中心にIT予算の増加傾向がみられた。中でも投資領域については「セキュリティ」が第1位となり、標的型攻撃をはじめとするサイバー攻撃への対策が迫られている現状が浮き彫りになった。
大企業、金融、情報通信がIT投資を活発化
年間のIT予算については、従業員数100人未満の企業(中小企業)は99万円以下が70.9%を占める一方で、従業員数1000人以上の企業(大企業)では、1億円以上とする企業が68.9%となり、正の相関がみられた。従業員数100~999人の企業(中堅企業)については、100万円~999万円で過半数を占めた。
業種別でみると、1億円超とした企業の業種で多かったのが金融(54.5%)、政府/公共(35.9%)、通信/メディア(32.4%)、情報サービス(26.0%)となった。「金融では過半数が1億円以上の予算を持っていることがわかった」(IDC Japan リサーチマネージャー 木村 聡宏 氏)。
製造は1億円超が21.8%ながら、1000~9999万円、100~999万円などのレンジも広く、99万円以下は24.8%となった。一方で、流通や建設などは99万円以下の企業が過半となった。
「金融など、ITが事業の競争力に直結している企業ほど予算を割いている」(木村氏)
年間IT予算の計画では、従業員規模が大きいほど、「増加」が「現象」を上回り、大企業のIT投資好調が裏付けられた。産業別では金融、通信/メディアの増加傾向が強かった。
年間IT予算を増やす理由については、会社の業務拡大、売り上げの増加、IT投信の優先度向上などがあげられ、攻めの姿勢が明らかになった。ほかにも組織(IT部門)の拡大、従業員数の増加など、人にかかわる部分も高い結果がみられた。
投資領域は「セキュリティ対策」がダントツ
IT投資領域については、トップ1位がセキュリティ対策、2位が営業系システム、3位がクラウドサービスとなった。ボトム1位は、レガシーマイグレーション、2位はSFA・コールセンター、3位はBIなどの意思決定支援システムだった。
「セキュリティが2位以下を大きく引き離した。全業種でセキュリティは1位だった。経年でもセキュリティは上位に位置づけられるが、今回はさらにその割合が数ポイント高くなった」(木村氏)
なお、IT部門の「課題」でもセキュリティ対策が高かったという。
【次ページ】IT部門が関与しないIT予算がある企業は6割超
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