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  • 2016/01/13 掲載

1日2ドル以下で暮らす人に何が売れるのか? BRAC大の副学長が故郷に戻った理由

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性別や国籍、宗教などの違いを超えて、さまざまな価値観を持つ多様な人材を受け入れて、活用していこうという「ダイバーシティ」。今後成長を続けていくために、多くの企業が取り組んでいる課題だが、こうした多様性を受け入れるという視点は、マーケティングに携わっている人たちにも求められる。そこでは、西側諸国の「きらびやかな」マーケティングだけではなく、たとえば1日2ドル以下で暮らす人々(=BoP)も巻き込んでいくことが求められる。
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バングラデッシュのBRAC大学 副学長のS.S.アンダリーブ氏

「今見ていないダイバーシティ」にも焦点を当てていくべき

 先進国におけるマーケティングでは、顧客の感情と繋がることが重視されていたり、情熱を持って施策に取り組む必要があるという捉え方をされている。

 しかし、「ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン2015」で登壇したバングラデッシュのBRAC大学 副学長のS.S.アンダリーブ氏は、「こうしたさまざまな情熱は現在、ある特定の地域や領域に向けられているものでしかない」と指摘する。同氏は過去約30年弱を西側社会で過ごし、2014年に祖国であるバングラディッシュに戻ることを決断した。

「西側社会では“きらびやか”なマーケティング手法が見られるが、しかしそれらはBoP(=Base of the Economic Pyramid)層の底辺で暮らしている人たち、1日2ドル以下で暮らしている貧困層の人たちの生活を覆い隠してしまう。しかし、(マーケティングは)彼らも取り込まなければならない。私がバングラディッシュに戻ったのは、祖国で様々なチャレンジをしたいと思ったからだ」(アンダリーブ氏)

 BoP層の人々に目を向けなければ、世界の大多数の人たちをマーケティングから取り残してしまうことになるとアンダリーブ氏はいう。企業の立場から見れば、自分たちの新たなマーケットを構築するチャンスを逃してしまうことになる。

「1日2ドル以下で暮らしている人たちに何が売れるのか。我々はこうした人たちのダイバーシティ、我々が“今見ていないダイバーシティ”にも焦点を当てていかなければならない」(アンダリーブ氏)

 アンダリーブ氏によれば、現在1日2ドル以下で暮らしている人たちは世界中に約45億人も存在し、その生活変化のスピードも遅々たるものだという。

「私は1992年以来自国に戻ったが、富める者はますます富み、中間層あるいは貧困層の人たちの状況はほとんど変わっていない。こうした集合体への便益供与を図っていきたいと考えた。そしてとても単純なことをすることによって、コミュニティ全体の生活を変えることができる」(アンダリーブ氏)

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