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- 2015/11/19 掲載
ITとマニュアル化でコストダウン!女性を支える病児保育の今に迫る
子供を理由に退職を考える女性に「病児保育」という選択肢を提供
この夏、病気の子供の世話をする病児保育士を主人公にしたテレビドラマ、「37.5℃の涙」が働く女性を中心に話題となった。タイトルにある“37.5“という数字は、子供を保育園に預けている親にとってのボーダーライン。なぜなら、子供の熱が37.5℃を越えると保育園からお迎えコールがかかり、親は仕事を切り上げ、子供を迎えに行かなくてはならないからだ。「民間企業に勤めていたときのことですが、度々の『お迎えコール』で職場を離れることを余儀なくされ、女性社員がどんどん辞めていくんです。これを解決する方法はないかと立ち上げたのが、訪問型病児保育事業です」と話すのはNPO法人ノーベルの高 亜希代表である。
経済的負担を分け合い、支えあう保育
保育料は平均6,500円(月会費・1回目の保育料含む)。同月の2回目からは一時間あたり1,500円でサービスを受けられる。利用してもしなくても月会費を払う代わりに、当日予約でも100%預けられる、その確実性が働く親にとって魅力的なのだという。安定的な運営を実現する月会費制を取り入れる一方で、企業や行政との連携や寄付を募るなど利用者の経済的負担を軽減し、ひとり親の家庭でも安心して利用できる病児保育を目指しているのだという。高代表は「昔は子供が熱を出すと祖父母やご近所さんに預けるなど、地域社会で子育てをしていました。私は共済型という、みんなで子育てをまかなう方法で安心して子育てができる環境を提供したいと考えています」と活動の趣旨を語る。 サービス利用者からは「仕事に専念できる」や「精神的な支えになる」などと好評だ。高代表は次のように続ける。
「この活動を続けてきてよかったと思うのは、『子供が熱を出した時は?』の質問に『ノーベルに預ける』と言って採用が決まったという人や非正規雇用から正規雇用に転換した人、『昇進が決まりました!』という利用者の声を聞けること。同じ女性として子育てと仕事との両立は解決すべき課題ですからうれしいですね」
【次ページ】マニュアル化でサービスの質を担保、IT活用でコストダウン
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