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- 2015/09/28 掲載
ウェアラブル2.0、「Apple Watchの次」はどうなる? 普及を促す3つの“I”とは
ウェアラブルはどこに向かっているのか
1つ目は、4月にアップルが「Apple Watch」を発売して、スマートウォッチの概念が一般に広まったこと。もう1つは、世界で初めてヘルスケアを目的としたフィットネス用のウェアラブル端末専業ベンダー「Fitbit」が上場したことだ。手首に装着するスマートウォッチ端末から、本格的にウェアラブル端末の認知が拡大してきた格好だ。
「技術的にも静かに進化しており、形状が多様化したり、センサーの種類も増えている」
たとえば、従来の加速度計、GPS、心拍計などに加え、心電計、皮膚電位、筋電位、脳波などバイタルデータを取得できるようになってきた。今後は網膜投射型ディスプレイや、レーダー、血糖値などのセンサーの登場も期待されている。
また、2014年後半より「スマート・ファブリック」と呼ばれる衣服型ウェアラブル端末も東レとNTTの研究から登場している。着る生体センサー“hitoe”は、衣服に高導電性樹脂が織り込まれており、生体情報を取得できる。ほかにも、より多くの生体情報を取れるサムスンの“Simband”や、ジェスチャーで端末を操作できるグーグルの“Project Soli”などが挙げられる。
ビジネスで有望なウェアラブの活用方法とは
「ウェアラブルの黎明期は、従業員向けの端末や業務での利用が中心だった。今年から本格的な普及に向けて、ビジネスでの有望な活用や、生活者を対象にする利用とサービスが始まりそうだ」(亀津氏)
もちろん、従業員向けでも新しい動きが出ている。NTTコミュニケーションズと大林組がIoTを活用した安全管理システムの実証実験を行った。「先ほどのhitoeを建設現場の作業員に着てもらい、バイタルデータや気温などをモニタリングし、クラウドに収集することで、熱中病を防いだり、健康管理に役立てようとしている」(亀津氏)。
このようにウェアラブル端末は、センサーから取得される情報と、どのような状態で何が起きるのかという知見がセットになって、初めて付加価値を生み出している。
さらに新しい動きとしては、一般向けの顧客にウェアラブル端末を配布し、サービスとして活用する事例も登場している。欧米の保険会社では、すでに「Wearable Usage based Insurance」(利用料に応じた保険)によって、健康度に応じて保険料を割り引くサービスも始まっている。
「ウェアラブル端末を着けた利用者が、そのデータを保険会社に提供することで、何らかのインセンティブを与えられるというものだ。クルマでは走行距離に応じた保険が用意されているが、同様のロジックを適用している。歩いて健康であれば、医療検診を割り引くチケットなどを提供してくれる」(亀津氏)
【次ページ】人の能力を拡張するウェアラブル2.0の世界
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