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- 2015/07/27 掲載
驚きの結果!企業の8割超が「コールドストレージ」に興味を示すワケ
テープや光ディスクがなぜ必要?
データ量の増大により、注目を集めるコールドストレージ
「比較的」という曖昧な表現がついているのは、「時とともに定量的な値は変わっていくためで、その時のアクセス頻度のものと比較して低いモノという意味」だそうだ。
では、なぜコールドストレージに関心が集まっているのかというと、モバイル、ソーシャル、ビッグデータ、クラウドという第三のプラットフォームの台頭により、データ量が急増しているからだ。
「2013年に4.4ゼタバイトのデータが20年にはその10倍の44ゼタバイトになると言われている。このような大量のデータを低コストで保存する必要性が増しているからだ」(柴山氏)
もう1つ関心が集まる背景が、長期保管の必要性が生じていること。
「たとえばビッグデータの活用が話題となっているが、その場合、長期間保存した数年分の大量のデータを基にして分析が行われることが多い。さらに法規制の問題もあり、より長期間のデータ保存が求められている」(柴山氏)
ユーザーの82%はコールドストレージに関心を持っている
「毎年ほぼ同じ質問を行う定点観測項目に加え、今年は特別テーマとして“コールドストレージ”を定め、コールドストレージに関するユーザーの意識も調査した」とSNIA日本支部会長の藤巻秀明氏(富士通)は語る。
同調査に参加した企業の従業員数は10数人規模の小企業から、1万人以上の大企業までとバラバラ。また業種も製造業が多少多いが、まんべんなくすべての業界の企業からの回答が得られた(有効回答は285)。
結果が得られるまで、藤巻氏は「コールドストレージは浸透しておらず、ユーザーは関心がないと思っていた」と振り返る。しかし蓋を開けてみると、82%のユーザーが「コールドストレージに興味がある」と回答。多くのユーザーがすでに大量のデータを有しており、その保管先としてコールドストレージを選定しているというわけだ。
また「コールドストレージの管理に対してどんな課題があると感じているか」という質問に対しては、「マイグレーションのところを困っているお客さまが多かった」と藤巻氏は紹介する。中でも最も多かったのが、「長期保存時のデータマイグレーションを早く完了したい」という回答だった(36%)。
そのほかにも「長期保存時のデータマイグレーションの回数を少なくしたい」(30%)、「容量の上限やデータの削除を考慮しなくてもよい大容量のストレージが欲しい」(32%)、「できるだけ長期間保存したい」(30%)という回答が得られたという。
また今回の調査でユーザーが求めるコールドストレージとSNIAで定義しているコールドストレージにズレがないことも分かったという。今回、紹介したのはほんの一部で、実際には140ページにわたる調査レポートになっており、SNIAの会員になると生データがダウンロードできるようになっている。「コールドストレージに関心のある方はもちろん、これらの市場データが欲しいという方もぜひ、会員になっていただきたい」(藤巻氏)。
【次ページ】コールドストレージを活用した事例とは
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