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  • 2015/07/27 掲載

驚きの結果!企業の8割超が「コールドストレージ」に興味を示すワケ

テープや光ディスクがなぜ必要?

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モバイルやソーシャル、ビッグデータ、クラウドという第三のプラットフォームの台頭により、企業や組織で蓄積されるデータ量が大幅に増大している。こうした大量のデータを、いかにコストをかけずに保存するかについて、多くの企業は頭を悩ませている。そこで今、改めて脚光を浴びているのが、HDDやテープ、光ディスクといった「コールドストレージ」である。SNIAの調査では、なんと8割もの企業がコールドストレージに関心を持つという調査結果が出て、「(調査前まで)コールドストレージは浸透しておらず、ユーザーは関心がないと思っていた」という関係者を驚かせた。なぜ改めてコールドストレージなのか。実際の採用企業の事例やTCOの削減につながるコールドストレージの選び方とは。(2017年10月18日一部更新)

データ量の増大により、注目を集めるコールドストレージ

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SNIA 技術委員会 コールドストレージ技術分科会会長の柴山司氏
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 そもそもコールドストレージとは何なのか。この問いに対する回答は、実はストレージベンダーによって異なる。そのため、ストレージの業界団体「SNIA(Storage Networking Industry Associatio)」の日本支部では、コールドストレージを「比較的アクセス頻度の低いデータ(いわゆるコールドデータ)を低コストで保存するデータストレージと定義した」と、SNIA 技術委員会 コールドストレージ技術分科会会長の柴山司氏(日立製作所)は語る。

 「比較的」という曖昧な表現がついているのは、「時とともに定量的な値は変わっていくためで、その時のアクセス頻度のものと比較して低いモノという意味」だそうだ。

 では、なぜコールドストレージに関心が集まっているのかというと、モバイル、ソーシャル、ビッグデータ、クラウドという第三のプラットフォームの台頭により、データ量が急増しているからだ。

「2013年に4.4ゼタバイトのデータが20年にはその10倍の44ゼタバイトになると言われている。このような大量のデータを低コストで保存する必要性が増しているからだ」(柴山氏)

 もう1つ関心が集まる背景が、長期保管の必要性が生じていること。

「たとえばビッグデータの活用が話題となっているが、その場合、長期間保存した数年分の大量のデータを基にして分析が行われることが多い。さらに法規制の問題もあり、より長期間のデータ保存が求められている」(柴山氏)

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SNIAが考えるコールドストレージの定義
(出典:SNIA Japan)


ユーザーの82%はコールドストレージに関心を持っている

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SNIA 日本支部会長の藤巻秀明氏
 では日本の企業は本当にコールドストレージに関心を持っているのだろうか。SNIA日本支部では毎年、ストレージユーザー動向調査を行っている。

 「毎年ほぼ同じ質問を行う定点観測項目に加え、今年は特別テーマとして“コールドストレージ”を定め、コールドストレージに関するユーザーの意識も調査した」とSNIA日本支部会長の藤巻秀明氏(富士通)は語る。

 同調査に参加した企業の従業員数は10数人規模の小企業から、1万人以上の大企業までとバラバラ。また業種も製造業が多少多いが、まんべんなくすべての業界の企業からの回答が得られた(有効回答は285)。

 結果が得られるまで、藤巻氏は「コールドストレージは浸透しておらず、ユーザーは関心がないと思っていた」と振り返る。しかし蓋を開けてみると、82%のユーザーが「コールドストレージに興味がある」と回答。多くのユーザーがすでに大量のデータを有しており、その保管先としてコールドストレージを選定しているというわけだ。

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コールドストレージに興味はあるのか?
(出典:SNIA Japan)


 また「コールドストレージの管理に対してどんな課題があると感じているか」という質問に対しては、「マイグレーションのところを困っているお客さまが多かった」と藤巻氏は紹介する。中でも最も多かったのが、「長期保存時のデータマイグレーションを早く完了したい」という回答だった(36%)。

 そのほかにも「長期保存時のデータマイグレーションの回数を少なくしたい」(30%)、「容量の上限やデータの削除を考慮しなくてもよい大容量のストレージが欲しい」(32%)、「できるだけ長期間保存したい」(30%)という回答が得られたという。

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コールドストレージ、及びその管理に対する課題は何か?
(出典:SNIA Japan)


 また今回の調査でユーザーが求めるコールドストレージとSNIAで定義しているコールドストレージにズレがないことも分かったという。今回、紹介したのはほんの一部で、実際には140ページにわたる調査レポートになっており、SNIAの会員になると生データがダウンロードできるようになっている。「コールドストレージに関心のある方はもちろん、これらの市場データが欲しいという方もぜひ、会員になっていただきたい」(藤巻氏)。

【次ページ】コールドストレージを活用した事例とは
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