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- 2016/06/10 掲載
2016年はSSDの価格がHDDを下回る「分岐点」になる
SNIA会長に聞くストレージの最新動向
予想を上回るスピードでオールフラッシュアレイが普及
デール氏:ストレージの動向をお話しする前に、IT全体のトレンドについて説明させてください。端的に言えばクラウドコンピューティングの普及によって、ITの業界地図が大きく塗り替えられようとしています。
──具体的にはどういうことでしょうか?
デール氏:従来のデータセンターは信頼性が第一で、どれだけ高度なサービスレベルや可用性を担保できるかが最も重要な要件とされてきました。そこにクラウド、モバイル、ソーシャル、ビッグデータなどの第3のプラットフォームが台頭し、ビジネスを取り巻く環境やユーザーのワークスタイルを激変させています。
こうした変化をとらえたとき、次世代のデータセンターはより柔軟な拡張性や接続性を備えるとともに、新たなサービスやアプリケーションを迅速に展開できるアジリティが求められるようになっています。すなわち、堅牢性や信頼性ではなく、スピードや柔軟性が求められる新しいニーズが生まれているのです。
──そうした中でストレージにも変化が起きていると。次世代データセンターなどのニーズを踏まえて、注目されているストレージテクノロジーとは何でしょうか?
デール氏:オールフラッシュアレイです。もっとも、ほんの2~3年前までオールフラッシュアレイをデータセンターの現実解ととらえる人は、ほとんどいませんでした。フラッシュアレイを使うのは、特に高度なパフォーマンスが要求される業務のみ。主流はフラッシュとHDDを組み合わせてティアリング(階層化)を行うハイブリッドアレイと考えられていました。
それが現在、オールフラッシュアレイがハイブリッドアレイをどんどん置き換えています。この変化のスピードは予想以上だったと思います。
──なぜオールフラッシュアレイが次世代データセンターのニーズに合致しているのでしょうか?
デール氏:たとえば、容量あたりで見たフラッシュのIOPS性能はHDDと比べて最大100倍とかなりの余裕があるため、これまで不可欠だった煩雑なチューニングが不要となります。フラッシュアレイを搭載すれば、それだけでストレージネットワークのQoS(サービス品質)を担保できるというメリットを実感している人は多いと思います。
また、インラインでのデータ圧縮やゼロ重複排除といった機能もあります。同様の機能はHDDでも提供されていますが、ディスクI/Oのオーバーヘッドがボトルネックとなるため、現実的な観点からプライマリストレージ上では利用できませんでした。
この結果、フラッシュアレイの容量効率はHDDの4倍以上となります。どんなワークロードに対しても、こうしたフラッシュのメリットを活かすことができます。加えて設置スペースや冷却・消費電力の削減など、運用面での扱いやすさも改善し、劇的なTCO削減の効果をもたらすのです。
──フラッシュの運用効率がさらに高まれば、やがては容量単価においてもHDDを逆転する可能性もあるのでしょうか。
デール氏:まさに今、そのターニングポイントを迎えています。プライマリストレージについては、2016年内にファラッシュの容量単価がSASドライブを下回ると見ています。
【次ページ】かつてない技術革新をもたらすパーシスタントメモリの最新動向
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