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- 2015/04/10 掲載
「余った卵白を有効活用しています」に顧客はどう反応する? イメージ戦略を思考実験
農産物も商品である以上、イメージは大切
体によいというのは、昔と違ってカロリーは控えめで、一方ミネラルやビタミンが十分含まれていて、できれば何か病気や病気の元を抑える機能性がある。一方健康を害する毒性が低く安全で、安心して食べられるということだと思われます。
そしてもう一つありますね。他の分野の商品に求めるのと同じく、環境破壊につながらず、むしろ環境をよくするような形で生産されていてほしい。
まとめて言えば、おいしくて、体によくて、安全で、環境によい──そういうことになります。
これは、有機農作物によく使われる謳い文句ですが、有機農業だから担保されるわけではありません。有機農業だけが優れた農業の方法なのではなく、優れた農業と言えるものにはさまざまな方法があり、その中に有機農業が含まれる場合もあるし、公的な認証を受けた有機農業でも、それに含まれない場合があるのです。
そのことについては、2月に刊行したSB新書『有機野菜はウソをつく』で、努めて自然科学的な視点から説明してますので、興味のある方は読んでいただけると幸いです。
もちろん、有機農業は非科学であるから、それを売り込んだり買い求めたりするのは誤りであるとか有害であるとか、今日にもそんな売り買いはやめるべきだとは言いません。
なぜなら、農産物も商品である以上、イメージは大切だからです。それは、「イメージのよい商品が売れる」という売る側の都合だけの話ではありません。買い手、食べる人の心の健康から言っても、商品を自然科学の視点からだけ論じたり、自然科学的に優良ないし無害と言えるものは何でも買うべきだと主張するのには問題があります。
ここで2つの思考実験をしてみましょう。
1つめは、あんぱんの食べ方の実験です。
【次ページ】 お尻をのせてつぶしたあんぱんと「つぶしあんぱん」――どちらを食べたい?
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