• 2025/04/16 掲載

備蓄米「出回っていない」=嘆く地方の小売業者

時事通信社

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首都圏の大手スーパーでは3月下旬から店頭に並び始めた政府備蓄米。既に計21万トンが入札されたが、その恩恵は地域や小売店の規模などによって偏りが生じている。地方の流通業者からは「うちの範囲では出回っていない。苦しいが耐えるしかない」と悲痛な声が上がっている。

江藤拓農林水産相の地元、宮崎県内のスーパーの店長は「県内の業者が備蓄米の入札に参加しておらず、入ってきていない。4月に入ってコメを値上げせざるを得なかった」と声を落とす。このスーパーの仕入れ担当者によると「備蓄米はほぼ東京より東にある」といい、「輸送費が高く、どっちみち店頭価格が高くなってしまうので調達を諦めた」とこぼす。

実際、備蓄米の保管場所は東日本に多い。3月の初回入札で9割以上を落札した全国農業協同組合連合会(JA全農)の担当者は、「近場に持って行くよりは遠くに持って行った方が運賃がかかるのは、その通りだ」と説明する。

4月14日に農水省で開かれた江藤氏とコメ流通団体との意見交換会でも、地域や業者の規模によって備蓄米の流通度合いに「濃淡」が生じているとの指摘が相次いだ。店頭での販売時期について「早くて4月末か、5月になってしまうかもしれない」という地方の声も伝えられたという。

首都圏や関西圏でスーパー「ライフ」を展開するライフコーポレーションでは通常のコメを5キロ4000円台で販売しているが、備蓄米は3000円台半ば。岩崎高治社長は「棚に陳列するそばから売れていく状況だ」と語る。

備蓄米が全国隅々まで行き渡らないため、全体のコメ価格は高止まりが続く。4月下旬以降も追加放出を控えるが、宇都宮大の小川真如助教は15日に日本記者クラブで行った記者会見で「現状の入札制度のままでやるとスーパーの価格はあまり下がらない」と指摘。必ず小売業者に売ることを条件に参加資格を与えるといった方策の検討を求めた。

【時事通信社】 〔写真説明〕倉庫内に積み上げられた政府の備蓄米=2月18日、埼玉県内

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