- 2025/04/16 掲載
午前のドルは142円後半へ小幅安、日米交渉前に手控えも
Atsuko Aoyama
[東京 16日 ロイター] - 午前のドルは142円後半で売りがやや優勢となった。株安などリスクセンチメントに振らされる展開で、米関税政策を巡る日米交渉で通貨問題が取り上げられるとの思惑も上値を抑えた。日米交渉やイースターの休暇を控えて積極的な取引は限られた。
ドルは朝方の143円前半から正午にかけて徐々に水準を切り下げたが、前日の安値142.60円の手前で下げ止まった。
今週18日は聖金曜日(グッドフライデー)、週明け21日は復活祭(イースター)で、欧米やオセアニアなど多くの国で株式・債券市場が休場となることもあり、積極的な売買は控えられた。
米関税政策を巡る日米交渉では、通貨問題が取り上げられる可能性も強く意識されており、「交渉の開始やイースターの休暇を控えて動きづらい」(三井住友銀行チーフ為替ストラテジストの鈴木浩史氏)との声が聞かれた。
交渉のため訪米する赤沢亮正経済再生相は16日午前、出発前に記者団に対し「何が一番国益に資するのか、何が一番効果的かということを考え抜いて、しっかり国益を守る交渉を行いたい」と述べた。
日米交渉では、為替に関して積極的な発信があった場合に140円割れも視野に入るとの声が複数聞かれた。日本が交渉相手としては「先頭」にいるため、仮に為替に関する議論が行われても表面化せず、関税率などで譲歩を引き出せるのであれば「(相互関税をきっかけとする)リスクオフの逆流」(国内金融機関の為替ディーラー)が起こり、ドル/円が円安方向に動く可能性も指摘されている。
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