- 会員限定
- 2018/10/29 掲載
ラグビーは企業ブランドの向上に役立つのか? アジアで増える競技人口
ラグビーは企業ブランド向上に貢献する
ラグビーユニオンの国際統括団体である「ワールドラグビー(World Rugby)」は、ラグビーの持つ5つのコアバリューとして「品位(INTEGRITY)」「情熱(PASSION)」「結束(SOLIDARITY)」「規律(DISCIPLINE)」「尊重(RESPECT)」の5つを示している。都内で開催された「Advertising Week Asia 2018」に登壇した日本ラグビーフットボール協会 理事 前田 直毅氏は、「肉体と肉体がぶつかりながらも、品位を保ちつつプレーすることを追求するラグビーが持っているエッセンスは、企業のブランディングの向上につながる」と語る。
前田氏はすでにラグビーを支援している企業として、まず大正製薬を挙げた。同社は2001年からラグビー日本代表のオフィシャルパートナーを務め、「リポビタンD」ブランドで「ラグビーワールドカップ2019」のオフィシャルパートナーも務める。
また、世界的にラグビー支援で知られているのは世界有数の規模を誇る保険グループ米AIGグループで、ニュージーランドラグビー協会のグローバルパートナーを務めるとともに、AIGジャパンは、小学生を対象としたタグラグビー(年少者や初心者も楽しみやすいノンコンタクトのラグビーゲーム)教室の開催やレフェリー育成を支援している。
さらに青森のリサイクル企業である青南商事は、ラグビー女子日本代表のオフィシャルスポンサーを務め、ジュニアラグビーもサポートしている。スピードや判断力、チームワークが重要であることなどが、リサイクルという事業や企業コンセプトと合致しているというのがサポートを決めた理由だ。
「ラグビーでどんなメッセージが伝えられるのか、ラグビーの価値とは何か、これは我々にとっても永遠のテーマでまだ見極められているとはいえません。しかし、ラグビーによる企業活動強化の可能性を、皆さんの支援をいただきながら追求していきたいです」(前田氏)
日本やアジアで、若年層のラグビー人口は着実に増えている
一方、アジアラグビー 執行理事 西機 真氏は「アジアに目を転じると、これまでラグビーはアジアの一部の国や地域でしか普及してこなかった」と述べる。特にサッカーやバスケットボールと比べるとその傾向は強い。しかし、現在、アジアには世界の若年層人口の80%が暮らしているといわれており、西機氏によるとこの地域でもラグビーに本格的に取り組む国が増えているという。その背景にはワールドラグビーやその地域協会であるアジアラグビーによるさまざまな支援活動がある。
たとえば、ワールドラグビーの「GIR(Get Into Rugby)」プログラムは、ラグビーを世界中に普及させることを目標とする取り組みだ。アジアでもさまざまな取り組みが行われており、その一例として、インドの比較的恵まれない民族が居住する地域において、約2万人の生徒がラグビーに親しんでいる事例が動画で紹介された。
また、同ワールドラグビーの「IMPACT Beyond 2019」は、「ラグビーワールドカップ2019」に焦点を当てたプログラムだ。ここでは、日本やアジアにおけるラグビー振興やアジアにおける放送網の拡大、世界におけるラグビー振興といったポイントを掲げている。そして、アジアで新しいプレーヤーを100万人以上増加させ、プレーヤー人口を200万人以上にするといった具体的な数値目標を設定して活動を展開している。
こうした中で、若年層のラグビー人口増加に注力されているのが、身体接触を伴わないタグラグビーの普及だ。日本では2008年の学習指導要領に入り、小学校の体育で実施されるようになった。その結果、「ラグビーワールドカップ2019」の12の開催都市で、平均60%の小学校でラグビーがプレーされていることがわかった。
「全国に小学校が約2万校あり、そこに生徒が600万人いることを考えると、すでに約150万人がタグラグビーを体験していることになります」と、西機氏は語る。
香港でも同様の取り組みが行われており、学内の先生がまず授業にタグラグビーを取り入れ、その後ラグビー協会の普及担当者が訪れ、ラグビーの価値を伝える事例が紹介された。
【次ページ】若者の育成や女性への機会提供にもラグビーが大きな役割
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
投稿したコメントを
削除しますか?
あなたの投稿コメント編集
通報
報告が完了しました
必要な会員情報が不足しています。
必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。
-
記事閲覧数の制限なし
-
[お気に入り]ボタンでの記事取り置き
-
タグフォロー
-
おすすめコンテンツの表示
詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!
「」さんのブロックを解除しますか?
ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。
ブロック
さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。
さんをブロックしますか?
ブロック
ブロックが完了しました
ブロック解除
ブロック解除が完了しました