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  • 2015/02/26 掲載

人は人工知能のアドバイスを信じることができるか?

ザカリー・レムニオス氏インタビュー

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いわゆる人工知能の1つであるコグニティブコンピューティングは、日本でも企業のシステムの一部として採用が始まろうとしています。コグニティブコンピューティングとは、既存のシステムとどのような点が異なるのでしょうか?
 元ペンタゴンの科学者で、現在はIBMにおけるワールドワイドの研究所のバイスプレジデントとして同社の研究の方向性などを担当するザカリー・レムニオス(Zachary J. Lemnios)氏が来日。インタビューの機会を得て、コグニティブコンピューティングの特長や社会に与えるインパクトなどについて聞きました。

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IBM Vice President, Research Strategy&Worldwide Operations Zachary J. Lemnios氏

コグニティブコンピューティングは人と対話できる

──コグニティブコンピューティングが、ビッグデータやアナリティクスと違うところはどういったところですか?

 レムニオス氏■コグニティブコンピューティングのユニークな点は、人と対話できるところです。人のレベルで、人のスピードで対話できるというのがユニークなポイントとなります。

 そしてコグニティブコンピューティングは、膨大な量のデータの分析を人間にとって自然な形のやりとりで行うことができます。

 例えば、病院で働いている医者がいるとしましょう。彼は一週間で4つくらいの論文なら読めるかもしれません。しかし現実には毎月2万もの論文が発表されており、とても一人の人間が読みこなせる量ではありません。そこで、こうした情報を理解できるコグニティブシステムによって、最近の研究結果をフィルタリングして引き出す、といったことができます。

 そうすることで医者に最新の洞察(インサイト)を提供できるのです。さらに時間を掛けて対話していくと、システムはその医者のこと、そして患者のことも学んでいき、システムがカスタマイズされていきます。

 また、インドのチームでは生徒にパーソナライズされた教育システムを構築しています。システムはそれぞれの生徒の能力を理解し、生徒ごとに適した教材を適切なタイミングで提示できるのです。これはまるで先生や親御さんが生徒にしているようなことです。こうした教育をもし大規模に推し進めていったら、世の中が大きく変わるかもしれません。

──従来のシステムは、人間がコンピュータに理解できる形でデータを入力しなければなりませんでした。コグニティブコンピューティングでは、文献や医療の画像や、人間の言葉をそのまま認識できるということなのでしょうか?

 レムニオス氏■そうです。まさにそこがコグニティブシステムのカギなのです。テキストや画像をそのまま見て理解でき、人の言葉に耳を傾けることができます。

【次ページ】 コグニティブコンピュータの正しさを、人間が信頼することはできるのか?
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