• 2013/04/11 掲載

サーバ仮想化市場調査:仮想サーバの出荷台数が初めて物理サーバ上回る

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2012年は、仮想マシン(仮想サーバ)の出荷台数が物理サーバベースの出荷台数を初めて上回り、2016年には仮想マシンが、2012年の69万2,500台の約2.5倍に当たる、174万9,500台に増加する見込みとなった。サーバの運用管理対象が物理サーバから仮想マシンへと急速にシフトしている。
 IDC Japanは11日、国内サーバ市場における仮想マシン(仮想サーバ)ベースの出荷予測を発表した。これによると、2012年に仮想マシンの出荷台数が物理サーバベースの出荷台数を初めて上回り、2016年には仮想マシンが、2012年の69万2,500台の約2.5倍に当たる、174万9,500台に増加すると予測した。サーバの運用管理対象が物理サーバから仮想マシンへと急速にシフトしている。

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国内サーバー市場の動向:物理サーバーと仮想サーバーの比較、2007年~2016年

 ユーザー調査(有効回答数 434、2013年2月実施)の結果では、x86仮想化サーバを本番環境で導入している企業が8割を超えた。また、本番環境で運用しているワークロードにはミッションクリティカル度の高いものが多く含まれていた。

 具体的には、上位3つのワークロードが「販売/顧客/契約管理システム」「会計システム」「データベース(基幹系)」で、それぞれのワークロードの仮想化率(回答企業数ベース)は60%前後となった。

 その一方で、仮想化サーバ導入のデメリットとして「サーバ運用管理の煩雑化」「物理サーバ障害の影響拡大」「スケジュール調整の煩雑化」が多く指摘されたという。

 それにもかかわらず、ITスタッフのスキルアップに時間を割いたり、ITプロセス/ポリシーの統合および標準化、システムインベントリー管理のために構成管理データベースを実装したりするといった、投資効果を直接的に評価しにくいエリアへの対応がおざなりになっている企業が多いことが分かった。

 ユーザー調査の結果では、本番環境でx86仮想化サーバを導入している企業の半数以上において、仮想化の活用レベルが高いにもかかわらず、その運用管理レベルは低いことが示唆された。

 2011年に同社が実施した調査によれば、仮想化による運用の課題として挙げられていたのは、障害発生時に問題の切り分けや原因分析が迅速にできない、といったことなどが挙げられていた(参考記事:仮想化したシステム運用管理における課題トップ10)。
 IDC Japan サーバ リサーチマネージャーの福冨 里志氏は「国内では管理対象となるサーバの主体は、2012年を境に物理サーバから仮想マシンへと急速にシフトし始める見込みである。にもかかわらず、目に見えるコスト削減を優先し、物理環境と仮想化環境の運用管理や仮想マシンのシステムライフサイクル管理といった観点での取り組みを十分に行っていない企業が多い。このまま放置すると、『サーバ運用管理の煩雑化』『物理サーバ障害の影響拡大』といった仮想化サーバ導入のデメリットに遭遇する機会がますます増え、ひいては本業のビジネスにおける機会損失を増大させる可能性が高い」と指摘している。

 今回の発表はIDCが発行した「2013年 国内サーバ市場 ユーザー動向調査:サーバ仮想化環境のワークロード」(J13230105)にその詳細が報告されている。

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