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- 2009/09/24 掲載
サーバ仮想化は中堅・中小企業こそ活用すべき:中堅・中小企業市場の解体新書(4)
サーバ仮想化の詳しい説明に入る前に、中堅・中小企業において「仮想化」がどれだけ関心を集めているのかを見てみることにしよう。以下のグラフは「中堅・中小企業における仮想化技術の活用状況」を示したものである。仮想化というものを知らない、または内容をきちんと理解していないという意見が多い。また仮想化を知っていても、実績が少ないことや予算の面で活用に踏み切れていない状況も伺える。
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中堅・中小企業に仮想化について尋ねたときによく見られる反応は「社内にサーバが何十台もある大企業と違って、ウチはサーバも数台しかないから関係ないよ」というものである。確かにサーバ台数を削減できることは仮想化のメリットの1つだ。しかし、仮想化がもたらすものはそれだけではない。
ではサーバ仮想化についてもう少し詳しく見ていくことにしよう。サーバ仮想化とは、以下の図が示すようにサーバのハードウェアとその上で動作するソフトウェア(OS、ミドルウェア、アプリケーション)の間に仮想化ミドルウェアを挟み込むことによって、両者を分離するものなのである。
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家庭用のAV機器を例にとってかみ砕いてみよう。映像や音楽を楽しむための規格にはCD、DVD、ブルーレイなどさまざまなものがある。それに対応してCDプレーヤ、DVDプレーヤなどの機器が存在している。しかし、最近のプレーヤの中にはCD/DVD/ブルーレイの全てを再生できるものがある。これはプレーヤの中に複数の規格の違いを吸収する仕組みが備わっているからに他ならない。
ITの世界に話を戻すと、サーバのハードウェアがプレーヤ、CD/DVD/ブルーレイといった各ディスクがソフトウェア、規格の違いを吸収する仕組みが仮想化ミドルウェアということになる。仮想化ミドルウェアがあれば、あたかもCDやDVDを差し替えるかのようにOSまで含めたソフトウェア環境をサーバのハードウェアに対して「抜き差し」できるのである。
しかし、現在の中堅・中小企業が抱える情報システムの多くは、音楽機器を例に取ると、CDプレーヤにも達していない状況だ。CDの場合は同じプレーヤに対してさまざまなディスクを入れ替えることで、違った曲を楽しめる。だが、情報システムの多くは1台のサーバに対して1つの業務システムしか稼働していない。決まったひとつのディスクしか再生することのできないプレーヤが社内にいくつも存在している状況といえるだろう。だが、「確かに無駄なのはわかるけど、業務システムの数が少なければ、1台のサーバに固定的に業務システムが割り当てられていても問題ないのでは?」と考える方も少なくないはずだ。そこで仮想化がもたらす真のメリットを説明するため、以下では中堅・中小企業が抱えるサーバ管理の課題について見てみることにする。
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