米iSuppliの調査によれば、2015年頃には全世界の携帯電話の3割に「NFC(Near Field Communication:近距離無線通信規格)」が搭載されるという。急速に広がりを見せるNFCだが、特にネット(オンライン)とリアル(オフライン)を結びつける「O2O(Online to Offline)」の分野でのマーケティング活用に期待が寄せられている。今後、NFCはどのようなビジネスを生み出すのか?野村総合研究所 イノベーション開発部 上級研究員の藤吉栄二氏が、NFCの基本機能をはじめ、普及の課題や業界ごとの適用領域、今後の可能性について解説。また、自動車大手のBMWや化粧品のREVLON(レブロン)、米Social Passportなど、海外企業の幅広い先進活用事例について紹介した。
実際の企業利用も広がっている。藤吉氏は、NFC搭載スマートフォンによる最新の活用事例として、期間限定のカフェ「REVLON Beauty & Love Museum」で実施されたイベントについて紹介した。この来場者は、会場で配布されたNFCタグ内蔵リストバンドを装着する。もし、お気に入りの展示物があれば、その横にあるNFCスマートフォンにリストバンドをかざす。するとFacebook上のREVLONページに「いいね!」がカウントされ、個人ページにもコメントが投稿される仕組みだ。これにより、通常よりも「いいね」が10倍も増え、Facebookのリーチも23万人弱まで伸びたという。