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- 2012/11/27 掲載
NFCタグとは何か?激安化で一気に広がるオフラインからオンラインへの架橋
4年で市場は20倍!?Androidスマホで世界でも拡大
爆発的に増える「NFCタグ」、4年で市場は20倍に
数年前、商品の在庫管理や物流管理などで利用されるICタグを日常のあらゆるものに添付してユビキタスな情報配信を行う取り組みに注目が集まった。しかし、当時はリーダライタも含めたインフラコスト、運用面、電波法などの課題もあり、期待したほどの活用は広がらなかった。NFCとは、ソニーとNXPセミコンダクターズ(旧フィリップス)が共同開発した近距離無線通信の国際仕様だ。NFCの標準化団体であるNFCフォーラムでは、NFC機器が扱える非接触ICチップを「タグ」と扱い、タイプ1~4の「Tag Type」を公開。Type 1は、ISO/IEC 14443 TypeA、Type2は、ISO/IEC 14443 TypeB、Type3がFeliCaベース、Type4は、ISO/IEC 14443 タイプA/Bに完全対応したタイプとなっている。
関連リンク:NFCとは?非接触ICカード規格の統合
現状、国内で普及しているFeliCa Standardや、海外でよく使われているMIFARE Desfire、eLWISEといったISO/IEC14443 TypeA/Bのカード(MIFARE UltralightやFeliCa Liteといったタグタイプは除く)の普及に関しては、国民IDカードなど一部を除き大型案件はほぼ一巡したため、今後極端な伸びはないかもしれない。
一方、市場が大きく広がる可能性があるのがタグ型のNFC「NFCタグ」だ。MIFARE UltralightやNTAG、FeliCa Lite/FeliCa Lite-S、my-d NFCといったもので、50~200バイトほどのメモリ容量を持ち、10cm程度の無線通信が可能だ。
たとえば愛三電機では、20枚入りのNFCタグが1,260円で販売されており、ステッカーやキーホルダーに埋め込んで使える。同タグでは、164バイト程度の記憶容量しかないが、電話番号やURLを入力するには十分で、かざすだけで簡単にアクセスできる。シールやストラップへの搭載、スマートポスターとしての利用など、新市場を開拓できる可能性があると考えられる。
また、NFCを読み取る機器が急増していることもこうした流れを後押ししている。NFCリーダ搭載のスマートフォンだ。NFCスマートフォンでは、Suicaなどのカード型機能(つまり、メモリとしての機能)だけでなく、タグを読み取る、リーダとしての機能を合わせ持つのが特徴。NTTドコモのおサイフケータイでも、タグを読み取る「iCタグリーダー」が利用可能になっている。
読み取るという目的ではQRコードと変わらないと思われるかもしれないが、各種NFCアプリと連動することができるため、アプリの起動や電話のダイヤル、位置情報サービスとの連携などさまざまな機能が実現できる。そもそも無線通信によりタッチだけで済むメリットが活きるケースも少なくない。
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