• 2012/12/13 掲載

帳票ソリューションの進化と深化、新たな顧客ニーズにどう応えるのか

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いまや帳票は、企業のあらゆるシーンで欠かせない必須のものになっている。帳票システムへの関心が高まり、自社導入を検討している企業は過半数にのぼるという。そのような状況で、帳票システムの最大の課題になっているのがクラウド環境への対応だ。従来の帳票の役割やニーズが変化していく中、帳票システムは企業ユーザーの要望にどう応えていくのだろうか。「ウイングアーク・フォーラム2012」では、帳票システムを手がけるウイングアークのWebシステム帳票運用基盤「SVF」(Super Visual Formade)に関する今後1年間のロードマップが発表された。さらに、パートナー企業として、NTTデータ、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)、日本マイクロソフトの担当者が登壇した。

クラウドやグローバル対応など、帳票ニーズの新たな変化

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ウイングアーク
取締役
兼 1stホールディングス
帳票事業部長
二村一生氏
 ウイングアークが実施した全国6ヵ所のセミナーアンケートの結果によると、ユーザー部門の帳票システムへの関心が高まっており、自社への導入を検討している企業は58%にも上ることが分かったという。

 さらに今後着手すべき帳票システムの課題については、半数が「クラウド環境への対応」(50%)と回答しており、関心の高さがうかがい知れる。これに続いて「事業継続の目的のためのサーバ統合」(18%)、「海外対応および多言語対応」(17%)という結果が得られた。クラウドの普及やグローバル化など、企業を取り巻くビジネス環境の変化から帳票の役割も大きく変ってきており、新しい時代の訪れが浮き彫りになった。

 では帳票ソリューションのクラウドへの対応には、具体的などのようなものが求められているのだろうか?ウイングアークの二村一生氏は次のように説明する。

「いま企業は、PaaSやIaaSといったクラウド環境で柔軟に対応できる帳票システムを欲しており、クラウド環境から直接、さまざまな帳票を印刷して配布したいというニーズも高まっています。また従来どおり便利なPDF形式で電子帳票を作成・運用したという一方で、帳票に対しての磐石なセキュリティを確保できる仕組みも同時に重要性を増しています。」(二村氏)

 クラウド環境も浸透し、グローバル展開を図っていくうえでも、国や地域のロケーションに応じた開発環境が求められるようになってきた。海外にビジネスを拡げる際には、統一されたITインフラ上で帳票システムや帳票基盤を構築し、多言語の帳票に対応していかなければならない。

 では、このような多様化する帳票ニーズに応え、付加価値のあるサービスを提供する動きはあるのだろうか?実はウイングアークでは、同社の統合帳票基盤「SVF」(Super Visual Formade)に関する新しいソリューション群を続々と投入していく予定だという。二村氏は、SVF関連製品の今後1年間にわたるロードマップについて説明した。

この1年間のロードマップは、新製品が目白押し

 ウイングアークでは、今年から来年にかけて、SVFにまつわる既存製品のバージョンアップや新製品の投入を積極的に進めていく方針だ。

 二村氏は「多様化するお客様のニーズに応えるために、まったく新しい製品を5、6種類ほど出す予定になっています。またソフトウェアベンダーとして付加価値のあるサービスを提供していきます。そして一番注力しているのがアライアンスです」と同社の基本戦略を明らかにした。

 SVFは、企業で利用されるさまざまな帳票運用を最適化することを目的に開発されたWebシステム帳票運用基盤だ。すでに建設、化学/医療、情報通信、製造、卸売/小売、サービス、運輸、金融などの幅広い分野で1万7000社が導入しており、帳票運用ツール市場でNo.1のシェアを誇っている。ホスト/オフコン、 ERPシステム、ユーザーアプリケーションなどの上位システムと疎結合にて連携し、さまざまな分野の帳票を多様な形式で出力できる。またグローバル対応という意味で8ヵ国語にも対応するという特徴がある。

 二村氏は、まず2012年後半から2013年初頭(2012/Q3~Q4)にかけての関連ソリューションのリリーススケジュールについて紹介した。

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2012年後半から2013年初頭(2012/Q3~Q4)のロードマップ

 既存製品絡みでは、Java7対応に移行したこと、またOracle Linuxのプラットフォームへのサポートもすでに始めている。また、中国でのニーズに応えるために、この11月より日本語版の「SVF Ver.9.1」を正式に出荷した。新製品の目玉としてはスマートデバイス(タブレット)を利用できるSVFソリューション「TabletPaper for RDE」がある。スプールされた帳票に手書きで加工し、保存・出力することで、帳票資産を最大限に活用できる。「SVF Essential Suite Ver.9.1」は、中国語のネイティブ対応を可能にするもので、来年1月から出荷する予定だ。

「中国では、日本と同じように帳票をきめ細かく作成します。ただし日本と大きく異なる点は帳票の中に帳票をつくるということです。そのためマルチクエリ機能も実装しました。」(二村氏)

 またSVFでつくった帳票であれば、どのようなデバイスでも閲覧できるビューア「SVF Viewer for MultiDevice」も登場する予定だ。これを使えば、サーバサイドでPDFなどの帳票類をJPEG形式に高速変換し、Webブラウザーで表示できる。

 二村氏は今後の方向性と展望についても次のように説明した。

「お客さまのご要望に応えられるように国際化とローカライズを視野にした製品を開発していきます。またクラウド向け製品、ユーザーエクスペリエンスが広がるモバイル対応製品の開発も進めます。サービスの拡充にも努め、特に運用面に注力して、プレミアムサポートや安心サポートプラス、中国語サポートも実施していきます。」(二村氏)

【次ページ】NTTデータ、IBM、マイクロソフトの見解
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