- 2011/09/15 掲載
日産自動車、EVバッテリの生産新工場を英国に新設 生産系システムにSAP ERPを採用
今回、英サンダーランド工場内は、同社にとって日本の座間事業所に続く世界で2番目のリチウムイオンバッテリ生産専門工場。同工場では、座間事業所において2010年に構築されたSAP ERP の生産計画系システムをグローバル展開する。
座間事業所におけるSAP ERPを用いた生産計画系のシステムは、2009年10月に導入検討を開始。バッテリは自動車と比べて生産リードタイムが長く、その特性に応じた生産計画や生産管理を統括する仕組みが必要だったという。
バッテリ単体での販路はルノー向け、サービス部門、OEM供給などがあり、生産工程では最終パック化する前のモジュールでの出荷も求められ、また、新工場として立ち上がった座間事業所内の工場では、生産管理機能のみならず、営業・調達・経理・会計を含めた一連の企業活動をサポートする仕組み、さらに稼働後のグローバル展開を想定したシステム化が要求された。
これらの要件を検討した結果、生産計画の作成から実績管理までを統括し、企業のビジネスプロセスを支える「計画系システム」、バッテリ生産を制御する「生産・工程管理システム(MES)」、製造履歴を追跡することで品質管理を支援する「トレーサビリティシステム」の3つで構成される統合システムのグランドデザインを決定。その中で上位の計画系システムに採用されたのがSAP ERPだったという。
特に、将来のグローバルの工場への展開を視野に入れた際に、外部サービスとの接続が容易な点、変化が想定されるところでも影響の想定が簡単な点、ボルトオン(無加工で取り付けられる部品)ごとのバージョン管理が容易な点が評価された。
新システムは2010年7月に座間事業所で稼動開始となり、わずか9ヶ月での短期導入が実現した。
日産自動車では、独ダイムラーとEVを共同開発することを明らかにしているほか、高級小型車なども海外生産を進めている。今後は、米国、ポルトガル、フランスへのバッテリ生産工場の展開を進め、グローバル5拠点において年間50万基のリチウムイオンバッテリ生産を目標として展開していくという。
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