- 2011/06/30 掲載
グローバル時代におけるR&D環境へのニーズとシーズ、設計・開発・解析をつないでイノベーションを起こす
クラウドを活用したCAD/CAE開発
次世代R&D環境へのニーズとシーズ
同講演ではまず、日本ヒューレット・パッカードの吉見隆洋氏が登壇し、「R&Dにおける次世代IT環境への取り組み~ニーズとシーズを踏まえた枠組み~」をテーマに、R&DとPLMツールの動向を俯瞰した。
吉見氏によれば、次世代R&D環境へのニーズ/シーズは、「社外コラボレーション基盤の整備」「社内ITの統合と整備」「社内コラボレーションの更なる促進」という観点から考えられるという。
まず、メーカー・サプライヤーの協調により、魅力的な商品を加速させるには、社外コラボレーション基盤の整備が急務となる。また社内には、R&D部門のほかに、企業全体のIT基盤の枠に収まらない“シャドウIT”の存在もあり、それらの運用・維持・管理に人的リソースが割かれるケースも多い。
そこでシステムの統合、次世代データセンターへの集約、最適な仮想化ソフトウェア活用によって、これらを企業全体のIT環境に内包していく必要がある。吉見氏は、社内コラボレーションのさらなる促進のために「定量的・定性的な側面からも改善を図る必要がある」として、成果を見える化する必要性を訴えた。
ではR&Dの次世代IT環境として、どのようなソリューションが推奨されるのだろう? 本セミナーでフォーカスされたのは、HPの「PLM ECO-System」、シーメンスの「Teamcenter/NX via RGS as a Private Cloud」、「NX Nastran & High Performance Computing Infrastructure」、「Teamcenter for Simulation」、「Teamcenter Mobility」という5つの製品/技術だ。吉見氏はこの中から、現在HPが開発中のPLM ECO-Systemについて紹介した。
たとえば大規模なサプライヤー向けには、従来通りのITインフラ・ITアウトソース・アプリケーションをプロジェクトで提供する「PLM Project」があり、これでプラットフォームのシンプル化が図れる。また中間層のサプライチェーン向けには、OEMが推奨するハード・ソフト・サービスをパッケージで提供することで、迅速かつ検証されたデータで一貫性を保てる「PLM Quickstart Platform」を準備している。
吉見氏は、PLM ECO-Systemを利用して、インフラとアププリケーションを横断した統合を考えるケースを紹介。「さまざまなシーメンスPLMソフトウェアに加え、マイクロソフトのアプリケーションプラットフォーム、HPのインフラ、統合化された仮想化と管理の仕組みが必要になり、これら4つのコンポーネントをうまく使うことが重要だ」と説明した。
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