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- 2011/01/14 掲載
米シリコンバレーと戦えるか?無料ERPで躍進するErplyにみる欧州ベンチャー:○○はビジネスになるか(18)
増えるインキュベーターファンドとイノベーティブな企業
Spotifyの挫折で始まった欧州ベンチャー議論
このSpotifyの失敗は昨年末から話題になっており、TechCrunchでは「なぜ、欧州からビッグなWeb企業が生まれないのか」と題して、ヨーロッパの投資家クラウス・ホムメル氏のインタビューを紹介している。同氏は「“一つのヨーロッパ”という宣伝とは裏腹に、あまりにも細かく分断化している市場が原因」だと指摘している。
Spotifyは、以前にも紹介したように、欧州の「いくつかの市場」で非常に高い「コンバージョンレート」を獲得しているのが特徴だ。一方で、このことは欧州市場がセグメント化されているという、ホムメル氏の解説を裏付けるものだと考えられる。シェアが細かい市場ごとの特殊事情で決まるのだとすると、欧州で成功したからといってグローバルで成功できるとはいえない。
欧州からビッグなWeb企業が生まれない訳
ドイツのベンチャーキャピタリスト、Paul Jozefak氏は、欧州と米国の起業マインドの違いについて、Q&AサービスのQuoraで答えている。同氏は13項目を列挙しているが、主に次の6つにまとめることができる。- 起業家自身の起業経験が少なく、ベンチャーキャピタルとの仕事の仕方も知らない
- 米国に比べて調達できる資本が小さく、マーケティングなどに十分な投資を回せない
- 教育の違いのせいで、米国の起業家に比べてプレゼン能力が弱い
- 失敗が汚点になることをおそれて「failing fast」(駄目なものは速く失敗して撤退すればいい)を信じられない
- グローバルプレーヤーよりも地域のスーパースターである方を好む
- 年間30日間のバケーションの習慣
ここで挙げられた多くは日本の状況にもあてはまりそうで、興味深い。ただ、このエントリー自体が、現在最も注目されているWeb企業の一つで、シリコンバレー発のQ&AサービスのQuora上にあるところが、なんとも皮肉である。
とはいえ、シリコンバレーに対抗できるベンチャーが徐々に欧州から生まれているのも確かだ。中でも、ReadWriteEnterpriseやウォール・ストリート・ジャーナルなどで2011年の注目企業に取り上げられているErplyはその代表例だろう。同社はフリーのERP(業務統合パッケージ)サービスを手がける企業だ。
【次ページ】フリーミアムのERPサービスErplyとは
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