米GE 会長兼CEO ジェフリー・R・イメルト氏に学ぶ
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「未来を創るリーダー」に求められるものとは何だろうか。端的に言えば「Sustainability & Ethics」である。この視点を持ち、行動力を発揮することがこれからのリーダーとしての前提になる。これを現在最も体現していると言われているのが、米GEの会長兼CEO、イメルト氏だ。本連載では、イメルト氏のこれまでの取り組みについて12の視点で分析しながら「未来を創るリーダー」に求められるものを明らかにしていく。第1回目は「ビジネスをこれから必要なことに集中させる」と「柔軟かつオープンにアイデア、活動を募る」を取り上げよう。
ことリーダー育成においては、リーマンショックは良い転機を作ってくれたと評価できる。株主利益だけはない、地球から存在してもよいという認知を受けるような企業づくりの重要性と、こうした視点と行動力を持ったリーダーの必要性を世に広く認知させたからだ。実際、AMBA(ヨーロッパを発祥とした世界のMBAのプログラムの質を審査し、認定する機関)認証下のビジネススクールでは、2010年度から従来のメニューを「未来を創るリーダー」の育成という方向へ大きく舵を切っている。では、この「未来を創るリーダー」が具有すべきキーワードは何か。それはSustainability & Ethics(サステイナビリティー&エシックス)である。
このキーワードの具体的な説明は後段に譲るが、大まかに言ってしまえば、これからのリーダーは自分や会社だけの名声や繁栄という近視眼的な思考のリーダーではなく、地球環境の維持を考えた上で、地域社会から認められ存在を許された上で、顧客だけでなく社員も社会もハッピーにさせるようなリーダーでなければいけないということだ。
では、そんなリーダーはどのような点が従来と異なるのか? そして具体的にはどのようなことが起こっているのか? この問いを考察する際に、最適なモデルと言える人物がいる。世界最大のコングロマリットである米General Electric(以下、GE)の会長兼CEO、ジェフリー・R・イメルト氏だ。
ジャック・ウェルチ氏の後を継ぎ、GEを率いた彼は、ビジネス構造をエコやヘルスケアなどのこれから必要とされるエリアへシフトさせたり、低コストの進行市場事業モデルを先進国向けにアレンジして導入するリバース・イノベーションを実現したり、インフラ整備が必要な国家と企業が連携して実現を高める企業 ― 国家間モデルを構築するなど、数々の先進的な取り組みを行いながら企業としても成長を実現している。そこでGE、およびイメルト氏の行動に照らし合わせ、この連載で「未来を創るリーダー」を解き明かしていきたい。
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