『ろくでなし三国志』『ライトノベルの楽しい書き方』著者 本田透氏インタビュー
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創作の中心にあるのはコンテンツでありキャラクター
――コラムや評論などをご執筆の一方で、創作のほうでもご活躍されていますよね?
本田氏■いまは幾つかの小説のシリーズを同時並行で進めている感じですね。『ライトノベルの楽しい書き方』(GA文庫)、『アーサー帝戦記』や『明日葉-Files』(ともに幻狼ファンタジアノベルス)など、それぞれ毛色が違ったものです。それ以外に新作も幾つか準備していますし、書きたいテーマはまだ複数あります。コラムや評論とはまた異なる書く楽しさと苦労があるなぁと痛感していますね。
――その『ライトノベルの楽しい書き方』は実写映画として2010年末に公開が予定されています。
本田氏■まさか実写で映画化されるとは、シリーズをはじめた時には想像もしていなかったので、先日試写会で作品を観た時にはとても嬉しかったです。脚本が尊敬している高橋龍也先生なので、夢か妄想の世界にでも入り込んでしまっているのかと……。試写中は何だかめちゃめちゃ緊張しました。小説だとこう描かれている場面が、実写の映画だとああいう風になるのか……という感じで原作ファンならば、より楽しめると思います!
――ライトノベルはアニメ化やコミカライズなどに発展することが多いですね。
本田氏■ライトノベルを書かせていただいている身としては、作品が異なるメディアにまで広がっていくのは「嬉しい」の一言に尽きます。もともと小説も好きだったんですけど、絵がうまければ漫画家になりたかったクチですし。それに『ろくでなし三国志』でも触れたことですが、創作というものは小説だろうとコミックだろうと映画であろうと、メディアの形態は何であれ、その中心にあるものはコンテンツでありキャラクターなのかなあと思います。
『ライトノベルの楽しい書き方』
また、そういう意味も含めて、ライトノベルにおいては挿絵を担当されるイラストレーターさんのウェイトがとても高いと感じています。キャラクターのイラストが基本的に入るライトノベルという分野は、文字だけの小説よりもコミックやアニメの原作に使いやすいというのはありますよね。しかも、ライトノベルのイラストのレベルは異常に高いと思いますし。
――最後になりますが、最近ご関心をお持ちの分野についてお教えください。
本田氏■ぼくのサイト「しろはた」の古い読者ならご存じだと思うんですけど、もともと野球好きで野球小説を書きたがっているクチなのです。で、最近「オーナーズリーグ」というオンラインカードゲームにハマってしまいました。自分で監督しなくていいので、カード集めがメインでゲーム自体はオマケだろうから、ゲームに時間を取られないで楽だなと思っていたんですが、それがそうもいかず……。チーム200本塁打の宇宙最強打線を組んだはずなのにヨーイドンで最下位ぶっちぎりの状態となってしまい、やきもきしています。1985年阪神タイガース型チームでは勝てないというのでしょうか……悔しいです!
それはさておき、野球小説は誰もやらせてくれないんで、いっそ野球ゲーム小説を書こうかな……と最近は妄想中です。小説にすれば、この悔しい最下位独走ももしかしたら「三国志」の孔明奮闘みたいな泣けるストーリーになるかもしれませんよ。つまり、現実のゲームで勝てないぶんを小説ではらしたろうと……。ただ、そのために自分で同人誌を作ったりサイトを立ち上げるのはちょっと大変なので、どこかが書かせてくれるといいですね。
●本田透(ほんだ・とおる)
小説家、評論家。1969年兵庫県生まれ。
高校を二度中退後、大学入学資格検定を経て、早稲田大学第一文学部哲学科入学(中退)、同大学人間科学部人間基礎学科卒業。
出版社で勤務した後にフリーとなり、現在にいたるまで思想史から社会現象、ライトノベルまで幅広い分野で旺盛な執筆活動を展開している。
評論に『電波男』(講談社文庫)、『萌える男』(ちくま新書)、『なぜケータイ小説は売れるのか』(ソフトバンク新書)、小説に『ライトノベルの楽しい書き方』シリーズ(GA文庫)などがある。
サイト:
webしろはた
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