- 2010/03/16 掲載
アビームコンサルティング、「ビジネスに貢献するIT部門への変革」調査レポートを発表
ビジネスに直接貢献するIT部門へと
変革するヒントとなるレポート
アビームコンサルティングは、「ビジネスに貢献するIT部門への変革」調査レポートを発表した。同レポートによると、昨今のIT部門では、ビジネスに直接貢献することが求められており、経営改革にまで踏み込んでタスクに取り組める人材の確保が急務 だという。しかし、日々増大するシステム運用業務だけで手一杯で、IT部門改革まで手を回す余裕がないケースがほとんどだろう。同社では、IT部門が抱え るこうした構造的課題に改めて焦点を当て、中長期的な観点による課題解決の道を探るべく、インタビュー調査を実施している。
なお、今回の調査は、IT部員が数人から数十人と比較的少なく、そのためにより困難な課題に直面していると予想される、連結売上高1,000億~5,000億円前後の企業を対象としている。また、IT部門組織はさまざまであることから、分社化やフルアウトソーシングなどを実施している企業を含む16社を選んでいる。調査概要は以下に記す通りだ。
・対象企業 : 16社(製造業 10社、非製造業 6社)
東証一部上場で連結売上高1,000億~5,000億円の企業 およびそれに準ずる企業
・回答者 : CIOまたはIT部門長、IT子会社の役員クラス
IT部門が直面する問題点
最大の原因は「人」にある
同レポートは、まずIT部門が直面する問題点について整理する。IT部門の役割はシステム基盤の整備・維持から、業務改革の提案・推進、戦略実現に必要なシステムの提案へと大きく変化している。にもかかわらず、それに対応できているIT部門は少ない。
その最大の原因は「人」にあり、IT部門の直面する人材不足が、IT部門の変革を阻んでいるという。そして、IT部門に不足する人材を以下の3つに大別している。
IT企画を実施するには、ITの専門知識・スキルに加えて、現場感覚に裏打ちされた業務知識が不可欠である。そこで、他部門とのローテーションが必要になるが、IT部門の人数に余裕がなく、一方で業務負荷が増大しているため、ローテーションの実施は難しい状況にある。また、必要な人材像やスキルが明確でないため、キャリアパスや研修制度の整備などのIT企画人材の育成支援に組織として取り組んでいる企業も少ない。
(2)開発・保守の後継人材の不足
開発・保守においても後継人材の育成が進まず、このままでは技術・スキルが空洞化する懸念が生じている。その要因として、IT部員の年代構成に歪みがあり、技術・スキルを継承する受け皿となる年齢層が薄い上に、IT基盤整備の一巡や、開発のアウトソーシングなどにより、開発経験を積む場が減っていることが挙げられる。
(3)グローバルIT人材の不足
ビジネスのグローバル化に対して、グローバルスケールのIT企画やグローバルシステムの開発・保守を担う「グローバルIT人材」も不足している。その要因としては、グローバル標準化の遅れ、グローバルITガバナンスの弱さなどにより、海外の情報システムに対する本社IT部門の関与が十分ではないことが挙げられる。さらに、海外IT要員の育成・活用も現地任せになっており、グローバルIT人材についても不足しているのが実情である。
同レポートでは、これら3つの人材不足を引き起こしている原因は、今後も容易に変わらないどころか、ますます解決が難しくなると分析している。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR