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- 2024/07/26 掲載
動画生成AI「Dream Machine」の衝撃、グーグルは「Veo」で対抗、注目されるLumaAIとは
Soraで短編映画、一部広告動画は炎上
OpenAIのSoraが2024年2月に発表されて以来、動画生成AIをめぐる動きが活発化している。Soraは非公開のまま一部のクリエイターにのみ提供されている状況だが、著名クリエイターや大手企業によるプロジェクトが次々と公開されている。2024年6月に開催されたトライベッカ映画祭では、Soraを使用して制作された複数の短編映画が上映された。さらに、2024年5月初旬には、映像クリエイターのポール・トリロ氏がSoraを使用して制作したウォッシュド・アウトのAIミュージックビデオが公開され、話題となった。
また、玩具大手のトイザらスは2024年6月24日、OpenAIのSoraを使用して制作した初の商業広告を公開した。この広告は、トイザらスの創業者チャールズ・ラザラス氏の幼少期と、同社のマスコットであるジェフリー・ザ・ジラフをAIで再現したものだ。
トイザらスのスタジオ部門社長キム・ミラー・オルコ氏と、広告代理店ネイティブ・フォーリンのクリエイティブディレクター、ニク・クレヴェロフ氏が制作を担当。アートディレクター、デザイナー、クリエイティブスタッフなど、実際の動画制作には十数人が携わったという。
一方で、本動画は批判も巻き起こった。クリス・アルシカン氏は「子供は気持ち悪くて不気味、感情は空虚」と指摘、AI動画の限界も露呈したという意見もある。
グーグルの動画生成AIはYouTubeやShortsに導入へ
また、グーグルもOpenAIに対抗する形で、新たな生成AI動画モデル「Veo」を発表した。Veoは「60秒以上の高品質な1080pクリップを作成できる」能力を持ち、フォトリアリズムからシュールリアリズム、アニメーションまで、幅広い映画的スタイルに対応できるという。「タイムラプス」や「風景空撮」といった映像関連用語も理解できるとのこと。Veoはユーザーがアップロードした既存の動画クリップに物体を追加することも可能だ。Veoのページでは、ハワイの海外線の映像にカヤックを追加した事例が紹介されている。
グーグルはVeoの開発にあたり、データセットの各動画のキャプションにより多くの詳細を追加し、高品質な動画表現(latents)を用いることで、全体的に品質を向上させ、動画生成にかかる時間を短縮したとしている。
VeoもSoraと同様に現時点では一般公開されておらず、一部のクリエイターのみがプライベートプレビューで利用できる状況。グーグルによると、将来的にVeoの機能の一部をYouTube Shortsやグーグル製品にも導入する計画という。 【次ページ】注目されるLumaAI、3次元の強みで他を圧倒
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