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  • 2024/07/26 掲載

IPA調査「DX動向2024」で判明…日本企業「AIの実力」、意外と凄い?生成AI利用率とは

連載:第4次産業革命のビジネス実務論

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2021年以降、情報処理推進機構(IPA)は日米企業のDXの状況をまとめた調査レポート「DX白書」を発行してきました。その後、このDX白書を引き継ぎ、日本におけるDXの取り組み状況に関する調査(2024年2月上旬~5月上旬)を「IPA DX動向2024」として2024年6月に公開しました。今回は、約50ページにおよぶ「IPA DX動向2024」のポイントを5分で解説します。
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2024年2月上旬~5月上旬に、IPAが実施した日本企業のDXに関する調査のポイントを解説します
(Photo/Shutterstock.com)

最もDXが進んでいる業種と、遅れてる業種とは?

 「IPA DX動向2024」の2023年度の調査では、日本で「全社戦略に基づき、全社的にDXに取り組んでいる」と回答した企業は37.5%となり、2022年度から10.6ポイント増加し、2022年度の米国の値を超えています。

 また、DXに取り組んでいる企業(「全社戦略に基づき、全社的にDXに取り組んでいる」「全社戦略に基づき、一部の部門においてDXに取り組んでいる」「部署ごとに個別でDXに取り組んでいる」の合計)は、2021年度(55.8%)、2022年度(69.3%)、2023年度(73.7%)と着実に増加していることが分かります。

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DXの取り組み状況(経年変化および米国との比較)
(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA),「IPA DX動向2024」,2024年6月 図表1-1)

 従業員規模別に見ると、日本では従業員数が多い企業ほどDXの取り組みが進んでおり、従業員規模が「1001人以上」の企業においてはDXに取り組んでいる割合は96.6%となっています。

 一方、従業員規模が「100人以下」の企業では44.7%であり、2倍以上の開きがあります。

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DXの取り組み状況(従業員規模別)
(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA),「IPA DX動向2024」,2024年6月 図表1-2)

 業種別に見ると、DXに取り組んでいる企業は「金融業・保険業」が97.2%、「製造業等」が77.0%と高くなっている一方、「サービス業」は60.1%と低くなっています。

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DXの取り組み状況(業種別)
(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA),「IPA DX動向2024」,2024年6月 図表1-3)

 日本の企業全体としてはDXの取り組みが年々進んでいる一方、サービス業や中小企業においてはDXの取り組みがそれほど進んでいないことが分かります。

DXの成果を感じてる企業の割合とは?

 DXの取り組みの「成果が出ている」企業の割合は、日本では2021年度(49.5%)、2022年度(58.0%)、2023年度(64.3%)と着実に増加しています。一方、米国(2022年度)では89.0%となっており、日米差は依然として大きいことが分かります。

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DXの成果状況(経年変化および米国との比較)
(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA),「IPA DX動向2024」,2024年6月図表1-8)

日本企業の取り組みは…ほとんど「DX」と言えない?

 DXレポート2ではDXの取り組みをデジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションの3段階に分類していましたが、「IPA DX動向2024」では具体的な取り組み項目を以下のように分類し、調査・分析しています。

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DXの取り組みの分類
(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA),「IPA DX動向2024」,2024年6月図表1-12)

 DXの取り組み項目別の成果の状況についての調査結果を、上記のデジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションの3段階の観点に分けて調査・分析した結果を見ると、日本では2022年度から2023年度にかけて大きな成果の伸びは見られません。

 また、「すでに十分な成果が出ている」の米国との差も全般的に大きくなっています。

 日本では「アナログ・物理データのデジタル化」や「業務の効率化による生産性の向上」のようなデジタイゼーション、デジタライゼーションの項目は成果が出ている割合が高くなっているものの、「新規製品・サービスの創出」や「顧客起点の価値創出によるビジネスモデルの根本的な変革」のようなデジタルトランスフォーメーションの項目については成果が出ている割合が低くなっています。

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DXの具体的な取り組み項目別の成果(経年変化および米国との比較)
(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA),「IPA DX動向2024」,2024年6月 図表1-13)

日本企業の「データ利活用」の状況

 企業におけるデータの利活用の状況についての調査結果を見ると、日本では「全社で利活用している」「事業部門・部署ごとに利活用している」「現在実証実験を行っている」の回答については2022年度から2023年度にかけて大きな変化はありません。

 一方、米国(2022年度)と比べると、「全社で利活用している」の割合に差が出ています。

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データの利活用状況(経年変化および米国との比較)
(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA),「IPA DX動向2024」,2024年6月 図表2-1)

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データの利活用状況(DX成果別)
(出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA),「IPA DX動向2024」,2024年6月図表2-2)

 データの利活用の状況をDXの成果別に示した結果を見ると、DXの取り組み成果が出ている企業では「全社で利活用している」「事業部門・部署ごとに利活用している」の合計は70%を超えており、DXの成果が出ていない企業と比較して30ポイント以上高くなっています。 【次ページ】日本企業の「AI利活用」の状況、生成AIの利用率とは?

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