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- 2024/06/25 掲載
AI活用は今からでも「全然間に合う」?2027年「意外な未来」をガートナーが予測
ガートナーの独自予測「SPA」とは
変化が激しいIT領域おいて、ガートナーが起こりうる可能性の高い“仮説”を提示・公表しているのが、「戦略的プランニングの仮説事項(Strategic Planning Assumptions:SPA)」と呼ばれる予測だ。SPAは予測の正確性よりも、提示した仮説によるビジネスや人に与える影響を理解してもらうことでの新たな“気づき”の喚起に軸足を置く、ガートナー独自の将来予測である。そんなSPAについて「新たなITトレンドの中での当社アナリストの先行的な視点に基づく、将来的な重要な変化の仮説です。最重視するのは予測の正確性ではなく、新たに起こり得る変化と、それがビジネスや人に与える影響を理解してもらうことでの新たな“気づき”の喚起にあります。企業の戦略や計画を見直しに大いに貢献する、有効な素材だと我々は自負しています」と話すのは、ガートナーマネージング バイス プレジデントの堀内秀明である。
では、SPAではどんな事象がこれまでに予測されてきて、これからの未来をどう予測しているのだろうか。個々の予測を具体的に見ていこう。
SPAにおける「3つ」の論点
まず、SPAにおける主要な構成を確認しておきたい。通常、SPAでは以下の3点が明示される。- 主要な所見
- 市場への影響
- 推奨事項
まず、「主要な所見」では、仮説の背景、根拠が、ガートナーが確認している事実として示される。
これを受け提示されるのが「市場への影響」である。仮説が現実になった際に、あるいはその過程において起こる変化をアナリストが展望して解説する。
そして最後の「推奨事項」では、仮説が実現した際にリーダーが実行すべき行動が具体的に示される。
そんなSPAについて、ガートナーが過去に発表してきたものの一例として堀内氏が紹介するのが、「2022年末まで、臨機応変なデータ分析を行う上で最も利用される分析ツールはExcelであり続ける」という予測だ。
「これらを総合的に勘案し、近い将来での有効なユースケースの登場は極めて限定的と判断しました。一方で、現場ではデータの散在が進んでおり、これを放置しては全社データの活用は極めて難しく、結果、適正なビジネス推進が阻害されると市場への影響を予測しました」(堀内氏)
このSPAにおける推奨事項は、Excelによるデータ分析の成果と課題の洗い出しによる現状把握と、データ提供方式の見直し、BIツールの新機能の積極活用であるという。
【次ページ】「大外れ」したある予測とは
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