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- 2024/03/08 掲載
ダウンロード数2.8倍で絶好調、覇者ネットフリックスが「ゲーム」を強化する納得理由
連載:米国の動向から読み解くビジネス羅針盤
「覇者」ネットフリックスの成功と課題
ネットフリックスは動画ストリーミングの覇者となった──。米メディアはこぞって、1月に発表されたネットフリックスの2023年10~12月期における申し分ない業績を評して、動画サブスク競争で「勝負あった」との見方を伝えた。会員数が1310万人増とパンデミック初期以来、四半期として最高の伸びを記録した上に、売上高も88.3億ドル(約1.3兆円)とアナリスト予想を上回ったからだ。
パスワード共有の厳格化や割安な広告付きオプションの導入、充実した番組構成が奏功し、会員数・売上の増加に勢いが見られる。それだけでなく、会員1人当たりの売上(ARPU)を見ても、ライバル各社と比較して抜きんでているのだ。
2023年7~9月期のネットフリックスのARPUは16.29ドルであったが、Huluは12.11ドル、Discoveryが10.66ドル、Disney+は7.5ドルに過ぎない(図2)。ネットフリックスが覇者と評されるゆえんだ。
波に乗るネットフリックスだが、2024年1~3月期の会員数の増加について、前年同期の175万人は上回るものの、2023年10~12月期の1310万人増には届かないだろうとの見方を示している。市場の予想は431万人の増加だが、予断を許さない(図3)。
特に注意を要するのが、主戦場である北米市場である。ネットフリックスの発表資料によれば、四半期・通年の売上、契約者数ともに、成長著しい中南米と比較して横ばい傾向にあるからだ。北米の動画ストリーミング市場はますます飽和に近づいており、何らかの起爆剤を必要としている。
こうした中、ネットフリックスが強化を図るのが、(1)広告付き動画サブスク、(2)ライブスポーツ、そして(3)ゲームタイトルの新作リリースだ。 【次ページ】3つの新機軸を徹底的に解説する
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