- 2007/03/29 掲載
【CIOインタビュー】 東急建設 「建設業としてのシステム構築」をめざす(3/3)
基本施策の着実な実施によって「システムガバナンスの確立」に着手できるようになった寺田氏。今は標準化への取り組みを模索している。
「災害対策を検討する際、メンバーそれぞれの思惑の中で議論が錯綜する場面がかなりありました。今後、アウトソースの拡大など意思疎通の希薄化が避けられない状況でも、コアメンバーの方向性は同じにしておかないといけませんよね。それぞれの大将がてんでバラバラの方向に攻めて行くようでは勝てる戦争も勝てません。『システムガバナンスの確立』を目指す議論のなかで、課題の本質は何か、現状はどうか、当社にとってのあるべき姿は何か、そのためにはどうすべきかなどの切り口で意識合わせを図って行きたいと考えています。」
寺田氏にとってのITとはなんだろうか。
「最近私はITに取り組む姿勢を変えました。これまでのキーワードは、『コストパフォーマンス』であったり『費用対効果』であったりして利益創出や経営効率化の手段としてITが使われてきました。それが、どうも最近の世の中を見ていると『企業防衛の手段』となっている傾向が見受けられます。個人情報保護法への対応などは、『費用対効果』でも『コストダウン』でもなく『情報漏洩の防止』であったり『外部攻撃からの防御』であったりするわけです。自分にとってITは何かと問われると、今お話したような転換期にあると考えています。
システム部門に携わるなかで一番重要なことは、例えていえば『匂いを感じるアンテナ」を持つことだと思います。世の中に何があり、自社にとってどういう影響があるかを見分ける力、見分けようとする気持ちと言えばいいのでしょうか。新たなはやり言葉が巷を賑わしているけれども、単なるメーカーやベンダーの売り込み口上なのか、実際に対応が必要になることなのか。実際に必要であるとしたら、自分たちの業界や企業規模のなかでどの程度の対応が適切なのか。そういった感性を養うことが重要だと思います。」
■データ
東急建設
代表者名 取締役社長 山田豊彦
創業 1946年
資本金 284億150万円(2005年3月末現在)
売上高 2,942億5,600万円(2005年3月期)
本社所在地 〒150-8340 東京都渋谷区渋谷1-16-14渋谷地下鉄ビル
従業員総数 2,431名(2005年4月1日現在)
電話番号 03-5466-5020(代表)
ホームページ http://const.tokyu.com/
■事業内容:
・総合建設業
今回の記事は、弊社刊行「日本の情報システムリーダー50人」(2006年4月発行)に掲載されております。 その他の企業の記事は、同書でご覧頂けます。
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