- 2007/03/29 掲載
【CIOインタビュー】 東急建設 「建設業としてのシステム構築」をめざす(2/3)
ITのディザスタリカバリを ゼネコンとしての使命と語る寺田氏 |
「大規模な災害が発生したら、お客様のもとに真っ先に駆けつけるのがゼネコンの使命です。とは言うものの、そうした際でも緊急時対応のみならず、それまでの事業(仕掛かりの工事など)も継続させなければなりません。
システム部門としては、後者への対応が重要になってきます。私たちは、大規模な災害は起こるという前提にたち、起きる前に何をしておくべきか、起こったらどうするかという2つの視点から検討を進めています。」
多くの企業は、大規模な災害に備え、重要なデータのバックアップをテープで保管している。しかしながら、それだけで対策は万全といえるのだろうか。実際に復旧を行うとしたら、動かすサーバ自体も壊れていることは想像に難くない。ハードメーカーに手配しても、メーカーや協力会社の工場が被災していたり、被災した会社も多数に上るはずで、代替品がすぐに納入されるとは考えにくい。代替品はすぐには来ないという想定で、どうすべきかを考えることが重要だと寺田氏は言う。
「金融業界の基幹を成すシステムでしたら、瞬時に復旧できるように 二重化して別の地域に置き、常に同期を取っておく必要があるかと思いますが、建設業界においてはそこまで即時性は求められていません。当社にとってどれ位の備えをしておくべきかというスタンスで物事を考えることが重要だと思っています。」
寺田氏には、システム構築における企画立案から予算の確保、利害関係者などへの説明を行う一連のプロセスの中で心がけていることがある。それは、IT業界では当たり前に使われているSCM、CRM、BCPといったような3文字言葉や横文字を使わないようにすること。自身が人から聞く場合は、言葉が先行していて内容がなく誤魔化しにしか聞こえない場合があると感じられるし、そもそも自分でも何を言いたいのだかわからなくなる時があると言う。
「確かに私たちは知っている言葉です。でも、それは聞く側の経営陣や財務担当者などの方々すべてが理解している言葉ではないのです。プロジェクトの必要性や施策の妥当性を認識してもらうという目的に対し、はやり言葉を散りばめるのは逆効果だと思っています。結局は、費用対効果はどうなのか、コストは下がるのか、などという議論に収束してしまいます。訳のわからない横文字を並べられても判断のしようがないですよね。資料や説明には横文字やはやり言葉は極力使わないように心がけています。」
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