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- 2023/12/09 掲載
初の女性首相誕生か? 退陣濃厚で始まる「ポスト岸田」争い、首相候補たちの顔ぶれ
連載:小倉健一の最新ビジネストレンド
どうなる? 岸田政権のレームダック化
岸田内閣の支持率低迷について、「世論調査は、高齢者に使用者が多い固定電話での回答が半分程度であることが多く、若者支持率の低い岸田首相の支持率の実態はもっと低い可能性がある。もっとも、このままいけば支持率が10%台に落ち込むのは避けられない」(自民党中堅議員)という証言もあり、厳しい情勢が続いている。現場でも、岸田政権のレームダック化を指摘する声が相次いでいる。レームダック(lame duck)の語源は「足が不自由なアヒル」「怪我をしたアヒル」だ。18世紀のロンドン証券市場で、負債を支払えない投資家を指すために使われ、転じて、米国において「任期切れ間近で、誰もいうことを聞かない状態になってしまった大統領」を指す言葉として使われるようになった。
日本語では、相撲用語である「死に体」(『相撲で、両者がほとんど同体に倒れたとき、つま先が上を向いて足の裏が返り、立ち直れないと判断された状態』(デジタル大辞泉より))と表現されることが多い。
「まだ岸田首相の言うことを聞いている状態だが、年末に予想されている『内閣改造』を過ぎて、年が明ければ、誰も言うことを聞かず、多くの有力政治家たちが好き勝手に、ポスト岸田のために動き出すだろう。本格的な政権崩壊は来年初めからはじまる」(同)という。
政権がレームダック化すると、一般的に次のようなことが起きる。まず、首相としての権威が低下し、政治的な不安定性を招く。来年の政治スケジュールを考えると、自民党総裁選が秋にあり、その次に、衆議院議員の任期が満了し、選挙が行われることになる。
これから1年にも満たずに退陣が既定路線になりつつある岸田首相は、国民から支持・不支持が分かれる政策を実行することができなくなり、支持率を回復するための短絡的な行動や、歴史に名を残せるような「遺産」づくりにまい進する可能性が高い。
政治家たちの関心は「ポスト岸田」へ
自民党の有力政治家たちの関心は、専ら「ポスト岸田」、つまり、岸田首相の次の首相が誰かということに焦点が当てられることになっていく。「低支持率にも関わらず、任期途中で衆議院を解散する、いわゆる『自爆解散』を岸田首相が決断することは可能だ。しかし、世襲政治家として生きながらえてきた岸田家の今後を考えても、自民党から嫌われるようなことはしないだろう。問題は、支持率が回復するような奇跡的な何かが起きるのかどうかだ。支持率が低迷した民主党政権の菅直人首相(当時)は、東日本大震災の発災時やその後の震災処理において、致命的なミスを連発したものの、延命したケースもあった」(同)
総裁選前に選挙がないとすれば、政権交代は物理的に不可能ということになる。「次の首相」はおのずと自民党の衆議院議員から選ばれることが濃厚だ。では、誰が「次の首相」になるのか。現在の永田町の情勢を基に、分析を試みたい。
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