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- 2023/11/20 掲載
今すぐ見直すべき、組織をダメにする「謎慣習」。成長しない企業が軽視していること
大抵の「1on1ミーティング」はムダ
その筆頭は、1on1(ワンオンワン)ミーティングです。
1on1ミーティングとは、主に部下の育成を目的に行われる、上司と部下の1対1の面談のこと。「1on1ミーティングをすれば部下の本心を引き出せるはずだ」と思い込んでいる上司は少なくありませんが、決してそんなことはありません。
そのような上司が開く1on1ミーティングは、「最近どう?」から始まり、とりとめのない話で終わりがちです。上司は「しっかり部下と意思の疎通が図れた」と満足する一方で、部下は「全然自分の話を聞いてもらえない」と、上司や会社に対して嫌悪感を抱くようになります。
すべてがムダとは言いませんが、上記のようなケースでは何の意味もないのです。
1on1ミーティングを含め2人以上が集まる話し合いの場を設ける際は、事前に目的を決め、全員がそのための準備を万端にした状態で出席しなければなりません。
たとえば、本来の目的である「育成」や「部下の目標達成」を本当に実現するならば、部下が先週の目標と達成状況を報告し、上司が部下に新しい目標を与える。そして、先週の実績が目標に届かなかった部下はどのように自分の行動を変えていくかを上司に告げ、承認を得る。このような形にしなければ意味がないのです。
“勘違い上司”を生む「モチベーション」の誤解
「上司が部下のモチベーションを引き上げるべきだ」という考えもよくある間違いであり、誰のためにもなりません。これは「モチベーション」と「テンション」を混同してしまっているがゆえに起きる誤解です。モチベーションは他人が引き上げられません。上司の叱咤激励によって部下のテンションが上がったとしても、その熱は時間がたてばやがて冷めていきます。
そもそも、社員は勤務時間中に何をするか契約をして入社しているのですから、「上司がモチベーションを上げてくれないから、仕事を頑張れない」という理屈はおかしいのです。
もちろん、モチベーションが高ければ生産性は向上しますから、会社側がすべきは社員が高いモチベーションでいられる環境を整えることです。社員1人ひとりに目標を立て、それを達成すればどのように給与が増え、出世していくかをあらかじめ示すようにしてください。 【次ページ】実話:「縄張り意識」がダメにした企業の末路、実は成長に効く文化
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