ポータルにアクセスすれば
必要な情報がすべて得られる

　WebSphere Portalを使えば、重要度に応じて情報の配置を決め、役割や部署によって見て欲しい情報をプッシュし、ユーザーに見て欲しい内容をすばやく届けることができる。
　マスターフーズのポータルサイト上では、社長からのメッセージ、海外ユニットに関するグローバル情報といった最新情報が日々更新されるほか、社内手続きもカテゴリー別に整理されており、迷うことなくたどり着ける。全ての情報は、日本語・英語両方で掲載されており、ユーザーによってメニューは日本語・英語のどちらでも表示できる。日本語の場合、英語の場合で、異なるサービスを表示させることも可能だ。

坂上菜々氏 マスターフーズ リミテッド ビジネスシステム アナリスト

　また、アソシエイトが楽しんで使えるよう、同社のCM映像を流したり、アソシエイトが自己紹介や好きなことを語れるコーナーも掲載されている（掲載された人が次の人を指名するリレー形式になっている）。今後は、検索機能の整備やイベントアルバムなどの機能を追加していく予定だという。

　同社のフィールドセールス担当者は、全員がノートパソコンを携帯しており、自宅でブロードバンド回線を利用している。ポータルサイトが整備されたことで、社内にいないフィールドセールス担当者も、社内勤務者とまったく同じように情報へアクセスできるようになった。

　情報を閲覧する一般のアソシエイトだけでなく、情報発信側にとっての利便性も大幅に向上した。担当者はシステム部門に頼むことなく、自分自身で情報をアップできる。WebSphere Portalは、ポータルサイトに表示する各要素をポートレットと呼んでいるが、これも担当者が自由に内容や構成を編集できる。これにより、迅速かつ効率的な社内の情報共有、コミュニケーションが実現できたという。
「ポータル担当の編集者を部門ごとに1人置くようにしました。その編集者は自分の裁量で、業務ごとの編集者を任命できます。ポータルサイトによって、アソシエイトのナレッジマネジメントに対する姿勢が変わったのを感じます。」（坂上氏）

「今後は、稟議や給与明細の発行、各種申請といった業務についても電子化し、ポータルサイトからワンストップで使えるようにしていきたいですね。」（安藤氏）


システムの運用方法を
明文化することが重要

　かつてのイントラネットの反省を踏まえ、安藤氏はこう語る。
「以前導入したイントラネットの問題点は、結局誰が管理するのか、どうやって管理するのかというプロセスがわからなくなっていたこともありました。システムの立ち上げ時はみんな気合いを入れますが、その後人事異動などで、立ち上げた人がいなくなると、運用プロセスが不明確になってしまいます。そうなるとシステムは使われなくなり、クモの巣が張ってしまうのです。今回のポータルサイトでは、どこの部署の誰が管理するのかといった運用プロセスを明文化し、サイト上に掲載しています。システムの立ち上げは大きな仕事ですから、そこで精一杯になってしまいがちですが、立ち上げはあくまでもスタート地点に過ぎません。」（安藤氏）

（取材・文：山路達也）


会社名：マスターフーズ リミテッド
所在地：神奈川県川崎市中原区小杉町1-403　武蔵小杉タワープレイス3F
主な業務内容：ペットケア製品、スナック菓子、食品、飲料、エレクトロニクスの事業を展開
TEL：044-712-1122

●注釈
■HTML
Hyper Text Markup Languageの略で、ウェブページを記述するために使われる言語。HTMLで書かれたテキストファイルと画像データを、ウェブブラウザ（Internet Explorerなど）が読み込むことで、ウェブページが表示される。