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2カ月でユーザー1億人を達成したといわれるChatGPT。公式プラグイン「ChatGPT Plugins」によって、ChatGPTの弱点の1つ、リアルタイム情報を参照できるようになり、ユーザー数はさらに増えるかもしれない。リアルタイムデータを参照し、最新情報を加味したアウトプットを生成することでこのプラグインを活用する企業のビジネスが「根底から変わる」可能性もある。公式プラグインを先行活用したサービスをリリースしたExpediaやShopifyなど11の大手企業の新サービスについて、活用方法とともに詳しく見ていきたい。
公式プラグインとは? 何が違うのか
ローンチ後5日でユーザー100万人、2カ月後に1億人に達したChatGPT。
2月の時点で、ChatGPTのWebサイトへの月間の訪問回数は6億回に達したといわれている。
驚異的な数字だが、その後もさらに伸ばしている。ChatGPTの開発企業OpenAIは2023年3月23日、複数の企業と提携し、ChatGPTの公式プラグインを近々リリースする計画を明らかにした。
それ以前からブラウザエクステンションとして多用なChatGPTプラグインが存在しているが、いずれも非公式のもの。その多くは、プロンプト(ChatGPTへの入力情報)のテンプレートを提示したり、YouTubeなど動画コンテンツの音声の書き起こしやサマリーを生成したりするプラグインだ。いずれもリアルタイム情報に直接アクセスすることはできない。
一方、公式プラグインの中には、リアルタイム情報にアクセスできるものも含まれており、ボトルネックが一部解消されることが見込まれる。
公式プラグインは現在、ウェイティングリスト待ちで、公式リリースの日程はまだ明らかにされていないが、多くのメディアで取り上げられており、注目度は非常に高い。
公式プラグインの提携企業/サービスとして選定されたのは、Expedia、FiscalNote、Instacart、KAYAK、Klarna、Milo、OpenTable、Shopify、Slack、Speak、Wolfram、およびZapierの12社/サービスだ(アルファベット順)。
以下では上記プラグインを「旅行・レストラン」「リテール・買い物」「ビジネスシーン」の3つの分野に分け、それぞれの詳細をみていきたい。
旅行・レストラン分野のプラグイン
Expedia
Expediaは、日本でも広く知られる旅行予約サービスプラットフォームだ。
Expediaプラグインを利用することで、ユーザーはチャット形式で旅行に関する質問を行い、旅行計画を立てることができるという。
現時点でも、ChatGPTを使えば、旅行計画を立てることができるが、ChatGPT(GPT-3.5)の学習情報が2021年9月までに限定されているため、生成される情報は一般的なものにとどまり、最新の価格や動向は反映されない。
一方、同プラグインを利用すると、航空券、ホテル、レンタカー、バケーションレンタルの空室状況や料金などの最新情報を加味した旅行計画を生成することが可能になることが見込まれている。
Kayak
Booking Holdings傘下のKayakは、航空券やホテルの比較検索を行えるメタ検索エンジンを提供している。
エクスペディアと同様に、Kayakプラグインを利用すると、ユーザーは最新情報に基づいた旅行計画を立てることが可能となる。Expediaプラグインともに、予約に関しては、予約ページのリンクが提示されるという。
OpenTable
こちらもBooking Holdings傘下で、レストランの予約サービスを展開する企業。ChatGPTのOpenTable
プラグインでは、特定条件に応じた最新のレストラン情報を提示することが可能となるという。
OpenTableのWebサイトでは、質問(プロンプト)の例として、「ニューヨークのアッパーウエストサイドで、オイスターと素晴らしいカクテルが楽しめるデート向けのレストランはありますか?」や「母の日に、チャールストンで母を連れて行ける評価の高いブランチスポットはどこですか?」などを挙げている。
目的や地域だけでなく、料理のスタイル、参加人数などの細かい条件でレストランを探すことができるようになるようだ。
【次ページ】リテール&学習分野のプラグイン
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