恩藏 直人
早稲田大学 商学学術院長 兼 商学部長。
早稲田大学卒業、同大学院にて博士号(商学)取得。
早稲田大学商学部専任講師、同教授を経て現職。
専攻は、マーケティング戦略。
著書に、『マーケティング』『競争優位のブランド戦略』
(日本経済新聞社)、『セールス・プロモーション』
(共著、同文舘出版)、『マーケティング戦略』
(共著、有斐閣)などがある。
「時は金なり」「早起きは三文の徳」「時は得難くして失い易し」「時は人を待たず」「明日の百より今日の五十」など、時間やタイミングの重要性や影響力を訴えた諺は多く知られている。確かに、時間そのものが重要であることに加えて、我々の行動や意識は時間やタイミングによって大きく左右されるようだ。電車の出発時間を気にしながら急いで弁当を購入するときと、時間に余裕があり弁当をゆっくり選ぶときでは違う基準で弁当を選ぶかもしれない。企業内で部品や原材料を選ぶときでも、時間的な切迫感で判断基準は異なるだろう。時間やタイミングが購買行動に結びついていることは、これまでの経験で感じとることができる。今回は「時」に結びついたマーケティング課題について検討してみたい。