• 会員限定
  • 2010/11/15 掲載

【戦略的マーケティング/第11回】感情的ベネフィットを訴えるマーケティング ~消費者により強い「喜び」をもたらすには~

早稲田大学 商学学術院長 兼 商学部長 恩藏直人氏

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
機能面の違いが乏しくなるコモディティ化は、飲料や日用雑貨などのパッケージ製品にとどまることなく、耐久財や生産財などのさまざまな市場分野で明確となってきた。コモディティ化を打破することは、マーケティングにとって重要な課題となっている。そこで今回は、コモディティ化に挑戦するための1つの切り口として、消費者の感性面、つまり心に訴える「感情的ベネフィット」について考察したい。
執筆:恩藏 直人

心に訴える発想「感情的ベネフィット」

 「安全性の高い自動車、ボルボ」。長期にわたってボルボは、自動車を安全性と結びつけることでユニークなポジションを確立してきた。しかしながら、「安全性」というベネフィットの有効性はほとんど失われているようである。近年ではどのメーカーの自動車も、高い安全性を誇っているからだ。従来までのマーケティングであれば、競合他社よりも優れた機能的ベネフィットを訴えればよく、そのベネフィットによって差別化できた。実際、自動車であれば、安全性のほかに燃費、加速性、居住性、収納などによる差別化が功を奏してきたようである。

 ところが今日、どの企業の製品も機能面での違いは乏しくなっている。我々は、こうした市場の動きをコモディティ化と呼んでいる(恩蔵2006)。コモディティ化への動きは、飲料や日用雑貨などのパッケージ製品にとどまることなく、耐久財や生産財などのさまざまな市場分野で明確となり、コモディティ化への挑戦は重要なマーケティング課題の1つとなっている。

 今回は、コモディティ化に挑戦するための1つの切り口として、感情的ベネフィットについて考察したい。機能的ベネフィットが消費者の理性面、つまり頭に訴える発想であるとすれば、感情的ベネフィットとは消費者の感性面、つまり心に訴える発想と言える。

ベネフィットとコスト

この続きは会員限定(完全無料)です

ここから先は「ビジネス+IT」会員に登録された方のみ、ご覧いただけます。

今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。

すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!

  • ここでしか見られない

    2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!

  • 完全無料

    登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!

  • トレンドを聞いて学ぶ

    年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!

  • 興味関心のみ厳選

    トピック(タグ)をフォローして自動収集!

関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます